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2010年4月23日 (金)

オバマ政権と鳩山政権の落差

 オバマ大統領が、おおきな抵抗をくぐり抜けながら医療保険制度改革への道を一歩進めたと思ったら、次には、金融取引に対する法的規制を強化する方針を打ち出した。ゴールドマンサックスなどアメリカ政府から巨額の公的資金で支援を受けていた金融企業の一部が早々と利益を回復し、借入金を返済する中で、ある金融企業では社員に巨額のボーナスを出したりして社会的顰蹙を買っていた。

 昨日オバマ大統領は、ウオール街の証券取引場で、居並ぶ大手金融企業のトップを前に、金融取引の法的規制の必要性をぶち上げたのである。

 私はこれに大きな拍手を送りたい。鳩山さんには到底できない技であろう。オバマは彼の信念に従って断固とした態度でことを進めているように見える。彼は、マルクスの理論を知っているはずもないが、結局、いまのところマルクスが予見していた歴史の方向に一歩づつ接近しているように見える。

 アメリカでは「社会主義」は「悪」であり、個人の自由を国家が規制し、国家統制下で自由が抑制される社会であると言う認識が一般的であるが、もしマルクスが現代の社会に生きのびていてこれを知ったなら、さぞかし驚きかつ嘆いたことだろう。彼自身は決してそのようなことを主張していたわけではないのだから。マルクスが、「社会で共有すべきもの」と考えていたものが、どこで「国家統制」という形にすりかわってしまったのかは、20世紀の歴史、とりわけ、いわゆる社会主義運動の歴史を詳細に見ないと分からないであろう。

 しかし、どちらにせよ、オバマはおそらく直感的にではあろうが歴史の進むべき方向を的確に見定めているように見える。

 それに引き替え、わが鳩山民主党政権は、なんと中途半端で先が見えていないことか!もちろんかつての自民党や自民党からdropoutした与謝野新党などに比べれば少しはマシではあるが、要するに歴史の先を見る能力が乏しい。別の言葉で言えば、政治におけるデザイン力がないのである。

 いまや世界は資本市場がグローバルであることから見ても明らかなように政治もグローバルに動かなければならなくなっている。いずれは日本でも金融取引への法的規制や政府のより強い関与が必要になってくるだろう。そのときに大切なことは、少なくとも、それが誰のための法規制なのかを明確にすることであって、労働者の生活を犠牲にした法規制であってはならないということである。いま金融企業が手にしている巨額の資金はもともと誰が生み出したものなのか、それはマルクスの理論の中で誤解の余地がないほど明確に解明されているのだから。

 鳩山さん、がんばってちょうだい!もう先がないですよ。

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