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2010年5月30日 (日)

誰のための政府か?

 去年の秋、民主党政権が登場したときには、(大きくはないが)一定の期待はあったのだが、いまや、そのスローガンの欺瞞性が明白となり、期待はまったく裏切られた。新政権に一縷の期待を寄せていた多くの人々は失望と怒りを感じている。

 その最大の理由は、沖縄の普天間基地問題であるが、官僚主導型政府から政治主導型政府へと移行するというスローガンも大きく期待を裏切られた。沖縄の人々の立場に立って、基地を県外あるいは国外に移設するようアメリカと交渉するはずであったのが、なんとアメリカからの圧力で沖縄の人々を完全に裏切る方向に踏み切ったのである。要するに沖縄県民は民主党政権を生み出すための踏み台に過ぎなかったのだ。沖縄県民の立場を代表して政権に加わってきた社民党は迷わず政権を離脱すべきだろう。

 経済政策にしても、目先の経済効果ばかりアピールして、マスタープランなど何もないことを暴露してしまった。目先の効果などはすぐにボロが出てしまい、やがて収集がつかなくなることは明らかだ。これも政権を取るためにわれわれ選挙民を踏み台にしたとしか言えないやり方だ。

 そしてさらに今朝の新聞によれば、総務省がDPI(Deep Packet Inspection)を合法化する方向で検討しているという記事が出ている。いまアマゾンなどが行っているような、ある顧客が特定の業者のサイトで過去にどのような買い物をしたかを記録し、その顧客に、次に推薦する商品を自動的に上げてみせるシステムがあるが、そこで得られた顧客の個人情報が、 DPI解禁により、特定の業者の内部だけではなく、第三者的業者にも提供され、ユーザ情報提供事業として成立させようとする目的で行われるのである。総務省は法的な制約を与えて、その範囲内で許可することにより、個人情報の流出を防ぐと言っているが、これは逆にいえば個人情報を政府が管理する方向に通じると思われる。

 民主党政権は、これを黙認している(むしろ景気対策の一つとして推進しようとしていると思われる)わけで、そこが問題なのである。DPIは欧米では反対の声が強くいまのところ実現していないようであるが、日本はいち早くこれを認め、新しい事業を興そうとする流れを尻押ししているのだ。

 いまのアマゾンなどで行っている顧客情報の追跡管理でさえ、あまり気持ちの良くないものである。それを第三者的企業が握って、しかもそれを金儲けの手段にするなど顧客にとっては許し難いことである。われらのインターネットを彼らの搾取の手段にしてしまっては絶対にいけない。一体総務省は誰のための「お役所」なのか?

 この他、いちいち挙げればきりがないが、要するにいまの民主党政権は、一見、民(たみ)の声を重視するかのような顔をしながら、実は自民党政権と本質的は何ら代わらない、資本の側に立った政府なのであり、産業界が儲かって初めて労働者は生活が潤うのだ、という発想なのである。政権を握るために、「民」をだましてウソを言っていたことが見え見えである。

 産業界は潤ってきたにも関わらず、われわれの生活は少しも楽になっていない。「雇用なき景気回復」の真の原因がどこにあるのか?なぜわれわれは資本の側に自分たちのすべてを委ねなければ生きていけないのか?毎日われわれに必要なものを生みだし、われわれの生活を支えるために労働している人々がなぜ、苦しい生活を余儀なくされ、その裏側(表側?)で、必ずどこかに巨額の富(本当はわれわれが生み出した富のはずなのだが)が貯まって、それを奪い合っている「賢い」人々がうごめいているのか?なぜわれわれではなく彼らが経済の趨勢を握っているのか?なぜ彼らはわれわれのすべてを管理したがるのか?

 それらの事実に答えを求めようとしない政府など結局はわれわれの味方ではないということがヨーク分かったという思いである。

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