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2010年6月 3日 (木)

菅さんこの現実をみてください!

 とうとう、というべきか、やっとというべきか、鳩山さんが小沢さんと心中をした。「まあ、一生懸命やったんだろうが、これではだめだね」というのが多くの選挙民の声のようだ。さてその次に登場すると見られる管さん。いままでジッと陰の方でうごめいてきたが、いよいよ表舞台に出てくることになった。しばらくは、お手並み拝見することにしよう。

 少なくとも「生活者の立場」を強調するからには、現状を的確に把握して欲しい。例えば、わが不肖の息子も含めて、私の身近にいる若者たちは、毎日朝早くから夜遅くまで、10時間近くの労働を課せられ、安い賃金で懸命に働いている。知り合いのある若者などは、新婚早々なのに、新妻がパートで土日に働きに出ることになり、彼は毎日朝早くから夜遅くまで厳しい労働を課せられているので、一緒に食事をすることすらできない。あまりのつらさに上司に実情を申し出たところ、遠い勤務先の倉庫管理の仕事に回された。かれは本音はそんな会社を一刻もはやく辞めたいのだが、辞めれば再就職のあてはほとんどないのである。会社側はそのことをよく知っているから、めいっぱい労働時間を延長し、しかも残業手当なども付かないことが多いのである。一体、労働基準法はどこに行ってしまったのだろう?

 そしてわが息子も軽い精神的障害があったため、大学受験に耐えることができず、結局アルバイトとして時間賃金850円位で肉体労働を行いながら、放送大学の授業を受講している。しかし、徐々に仕事量が増えて、いまや毎日夜9時過ぎまで働かされて、クタクタになって家に帰ってくると、一人夕食のテーブルにつきながら、居眠りをしてしまい、ろくに食事も摂れなくなってしまうのである。とても放送大学のレポートを書く時間などない。これではどんどん状況が悪くなっていくことは目に見えている。

 これらは私の身近でおきているほんの些細な一例であるが、世の中にはもっともっと過酷な状況で喘いでいる人たちが沢山いる。その多くが、ほとんどあきらめと絶望の中で日々なんとか生き抜いているのである。景気が回復してきたなどというニュースが流れているが、一方で働き手を減らして、人件費を節約し、残った働き手に過重な労働を課すことで、着々と利益を回復している企業があり、他方で、人手が足りないのに職に就けない人たちが増加しているという状態が続いている。

 その一方で、リーマンショックに始まる世界的金融恐慌のあおりを受けて収益を減らしていた企業の中で、いち早く野村ホールディングスなどの金融資本企業の経営陣は、報酬を3倍以上のばし、一人あたり何と1億4千万円以上の報酬を得ているというのである!

 菅さん、金融資本家たちが右から左に動かして巨額の収益を上げている富はいったい誰が生み出したんでしょう?金融資本家ですか?まさかそうは言わないでしょう、あなたは少なくとも「生活者の立場」を強調する政治家ですからね。アメリカや中国ではもっと激しい格差があるんだぞ、日本はまだ良い方だ、なんて言わないでしょうね。あなたは日本の「生活者」つまり労働者階級の味方であるはずなのだから。

 次期首相候補の菅さん、よーく考えてくださいよ。こういう許し難い現実を変え、まっとうに働く人達がまっとうな生活ができる世の中にするのが政治家の仕事なんですから。

 世界に目を向ければ、リーマンショックの次はドバイショック、その次はギリシャで、次はポルトガルと世界中で金融資本主義経済の破綻が噴き出ている。もう資本主義社会は腐りきっているのです。その腐臭に充ちた経済体制を乗り越えてあたらしいポスト・資本主義社会を目指すためには、少なくともマルクスが生涯を掛けてその生命の火を燃やし尽くした強靱な思考力によって本質的な矛盾を明らかにされた、資本主義社会の基本的メカニズムとその本質的な矛盾をもう一度頭に入れて欲しい。マルクス主義ではない人であっても、今の社会ではマルクスの理論的成果は無視することはできないのだと思う。

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コメント

野口さんとは違って、私は、もう、全く期待しない。

菅さんに、民主党員は何も云わせなかった。ただ、鳩山政権の心情を受け継ぐことと、政治とカネについて全党員が矜持を持つことの2点だけだったのだ。

そこには、マニフェストに復帰することは何もない。すでに、放棄したからである。普天間もない。既定路線としたのだ。後期高齢者の廃止自体を廃止したまま、子供手当ても増額停止、労働者派遣法の骨抜き案の可決を急ぎ、薬剤エイズのように、書庫から書類を見つけるかわりに、税法の中で消費税率数値を上げるのみ。

鳩山政権の副総理でおやりになったことをそのまま維持するだけ。鳩山、小沢では出来なかったことをやる意志は見えないし、もう、云わせないのか、云えないのか程度の話になっている。

アメリカには何も言わないだろう。労働者派遣法の抜け穴塞ぎを米倉に向かって云えるはずもないだろう。
参院選挙後のとんでも連立に向かって、奈落が見える。

いや、この期待を根っこから、裏切って貰いたい。沖縄の人達を裏切ったように、私の視点を大きく裏切って欲しい。そこが私の唯一の期待だ。絶望的とは思うが、国民が見ているのはそこだからからだ。

投稿: mizz | 2010年6月 4日 (金) 16時15分

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