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2010年6月16日 (水)

税政に表れる政権の本質

 管総理が、民主党政権の税制改革の基本方針を明らかにした。それによると、所得税の税率を所得の多い階層に比較的重く、少ない層に比較的軽くするという内容が含まれているが、それ以外はほとんど自民党政権時代と変わらない。基本は税収の減を消費税の税率を上げることでカバーし、企業への税率を低く抑えて、景気の活性化を図るというものである。

 例えば、消費税がなぜ均一に商品の購買全体に掛かってくるのか、という理論的根拠は何も言及されていない。一律に「消費」として扱われる、商品の購買の中には、生活必需品と奢侈品の区別もなく、さらに重要なことは、労働力を商品として購入し、資本の生産のために「消費」する資本家に対しては消費税は掛からない!そして、さらに、もっともっと重要なことは、労働者が自分たちが生きるために必要な生活資料を得るために、資本家から「前借り」した労働賃金は、本来労働者自身が所有権をもつはずの価値であるにも拘わらず、それを「所得」とみなされ、それを、生きるために必要な生活資料(生活資料はもともと労働者階級の手で生み出されたものである)と交換するときに「消費税」が取られるのである!しかも、こうして労働者に本来存する所有権を剥奪している資本家的企業が、それによって得ている「不当な所得」を増やすことに関しては、減税措置が執られるのである!!!

 こうしたことが「合法化」されている資本主義社会のおかしさに気づき、それを根本から変えていかねばならないと考える政権を、労働者自身の手で生み出せるまでは、まぼろしの「民主」政権が資本家と無自覚な労働者に「リベラルな」色目を使って媚び続けるだろう。

 ここで、資本論の一節を引用しておこう。

「プロレタリアは、彼の労働を一定量の生活必需品のために売ることによって、生産物の分け前の要求をすべて放棄する。生産物の私有様式は、であるからといっても、以前と同じままである。(中略)生産物は、原料と生活必需品を供給した資本家に、独占的に所属する。そして、これが私有の法律の厳格な帰結である。が、この私有という法の根本的原理は、全く逆で、すなわち、あらゆる労働者が、彼が生産した物の所有者であるという、排他的権利を持っている。」(mizz訳 英訳 資本論、第七章 第一節 最後の本文注より引用)

 この意味が理解できない為政者は、資本主義社会特有の「私有」の法を普遍的なものと思い込まされている「上部構造」の、しかももっとも罪深い一員である。

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