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2011年3月17日 (木)

株式市場と為替相場は誰の味方か?

 大震災とその後の原発事故などによる電力供給不足は、長期に渡って、日本経済が危機に陥ると見た投機筋は、一斉に日本株の「売り」に走った。そしてその反作用で円ードルレートは一気に1ドル=77円台まで円高が進んだ。

 両方の動きの関連性については専門家の分析を待つしかないが、ここで言えることは次のようなことではないか?

 現在の企業の大半は株式会社であり、株券を買ってもらうことで資本を調達して企業の経営を成り立たせている。そして企業の利益に応じてその配当を株主に分配する。さらに株主はその株券を証券市場で取引し、そこから得られる証券価値(本当は証券の価格)の差益によって、巨額の金を儲けている人たちがいる。投資家である。この投資家たちは投機的な思惑で金儲けをしている人々であり、株式市場での証券価格は、思惑で動いている。だから企業の業績が悪化し、利益率が下がるという予想が立つときには、その企業の株券は株式市場での価格が下がらないうちに売らねば、損をすることになる。一方で、安くなった株を買っておけば将来それが高く売れれば儲かるので、売られた株を買う投資家もいる。

 そのような投資家の思惑による株式証券市場の「需要と供給」バランスによって、株の価格は決まるのだが、今回の大災害のような場合は、災害の影響を受けた企業の利益率が下がることが確実であり、それは当分戻らないことも確実であるために、一斉に「売り」が始まり、株価が大暴落するのである。

 今回の大災害では、各国からの支援の申し出があり、これには本当に感謝するが、それと同時に、国際的な金融・証券市場での日本からのマネーの撤退は、日本の企業にとっては痛手となり、復興のための活動に大きな支障を来すであろう。

 これをみても明らかなように、株式市場や為替相場で巨額なマネーを動かしているのは投資家や金融機関である。彼らは、自分たちの利益のことしか頭にない。日本の経済が崩壊しようと、それによって何千万もの人々が生活に困ろうとそんなことは一向にかまわないのである。日銀が「資金不足」を補うために20兆円もの金を金融機関にばらまいたが、その金は一体どこに行くのかを見極めるべきだろう。

 もはや、私的な利益を追求することでマネーを追いかけている連中のために、そのマネーの「元手」である価値を労働によって生み出した絶対多数の労働者の生活を奪うような経済体制は完全に破綻している。われわれは一刻もはやくこのような資本主義経済体制を「卒業」すべきではないのか?

 少なくともいま金融資本は「損」を覚悟で復興のための生産活動に、持てる資金をすべて拠出すべきである。

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