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2011年5月25日 (水)

オレゴン・トレイル(2)

 今日は天気がよいのでポートランド近郊のワシントンパークを歩いてきた。ここは遠くハイウエイを走るクルマの音や汽車の汽笛の音が聞こえる都市近郊の森林公園であるが、人が少ないせいか森の中のトレイルを一人歩いているとそれを忘れさせるような静けさがある。

 太い幹に長い年月を過ごしてきたことを示す深い皺を刻んだ巨木たちがその天をつく高い枝枝に出たばかりの若葉を広げ、日差しを受けて輝いている。木漏れ日の差し込む地上には小さな花が一面に咲き敷いている。私はふと、あのナバホの唄を思い出した。 

 私は晴れやかに美の中を歩む

 私の前にある美の中を歩む

 私の上にある美の中を歩む

 私の側面にある美の中を歩む

 そしてその歩みは美の中で終わる

 まさにその世界の中にいま私はいる。なんと美しい世界だろう!普段ならこんな気持ちになることはないのに、いま私は、なんだか自分の生きていることの意味が分かったような気がした。

 数十億年もかけていまのようになってきた大地が、いまここにある。そして私もその一部としてここにある。私の人生はせいぜい70年か80年位でしかないが、それは気の遠くなるほど長い大地の歴史の中のほんの一瞬、一個の「目覚めた大地」としてここにあるのだ。

 すでに眠りについてしまった何十兆もの過去の「目覚めた大地」はこうしていま、私の目の前にある美しい大地として結果している。それらはいまこのとき生きている多くの個々の「目覚めた大地」に共有されている。

 遠い昔、ベーリング海を渡ってアジア大陸からはるばるこの地にやってきた先達たちの喜びが、いま私の胸に響いているのだろうか。

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