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2011年8月 9日 (火)

タイ国の労働者がんばれ!

 タイ国の大統領選でタクシン元首相の妹のインラック女史が当選し、新首相に就任した。もともとタクシン元首相とアビシット前首相との間では、タイの労働者と資本家の対立が党首間の対立として表面化しており、タイ国内で騒然とした状況を生んでいたが、追放されたタクシン元首相の意図を継いでインラック女史が、労働者の最低賃金を引き上げる政策を前面に打ち出して当選したのである。

 ところがこれに対して、資本家側は、それに反発し、もし労働者の最低賃金が引き上げられたなら、タイの中小企業はほとんどが倒産してしまうと言っておどしを掛けている。

 タイの労働賃金水準は中国よりもさらに低く、最近では日本の多くの資本がタイに生産拠点を移し、安い労働力を収奪している。したがってこうした日本の生産企業(自動車やカメラなど日本が看板とする製品を作っている企業が多い)もタイで労働賃金が引き上げられたなら困るのだ。

 タイの労働者は自分の国に投資している資本家がうるおい、経済成長しているのに、労働者の生活がちっとも良くならないことに、当然のことながら腹を立て、賃上げを要求しているのだ。

 これに対して、日本の企業にいる労働者達は、自分の雇用されている日本の企業がタイで儲けが少なくなれば、自分たちの賃金も危うくなるという危機感を持つとしたらそれは大きな間違いであろう。

 タイや中国の労働者の賃金が高騰し、日本の労働屋の賃金との差が少なくなればなるほど、それらの国々で生産され、グローバル市場に出される商品と日本などで作られる商品との価格差は少なくなり(といってもその差はまだ非常に大きいのだが)、グローバル商品市場での価格競争を通じて行われていた高賃金国の労働者の賃金引き下げ圧力も少しは減るのだ。そして国際的に見れば、労働者の地位も幾ばくかは向上し、互いに資本家の競争のために犠牲になる度合いも少しは減るのだ。

 だから、日本の労働者は、中国やタイの労働者の賃上げ要求に熱烈なエールを送るべきなのだ。

 もちろん、賃上げだけが最終目標ではない。最終的には、世界中の労働者階級が団結して、資本家階級による政治経済の支配をやめさせ、社会が必要とするものを生みだし、社会のために働く人々が、本来のそれに相応しいグローバルな社会的地位を獲得することが目的でなければならないだろう。賃上げはそのための最初のステップと言ってよいだろう。

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