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2012年7月19日 (木)

日本商工会議所の原発推進見解を突く

 政府が行った、「2030年での全電力需要に対する原発依存度を、0%、15%、20〜25%のうちどの選択肢を取るか」というアンケートに対して、日本商工会議所は、「このアンケートは、経済成長率を1%として想定したものであり、実際には2〜3%の経済成長がどうしても必要なので、この選択肢のすべてが現実的ではない」という見解を表明し、この立場を経済界全体が支持することになりそうだ。

 この一事を見ても、「経済界」の本質が実によく分かる。つまり、彼らにとって、すべては「経済成長」のためであり、人々の生活などは、そのための手段でしかないことが見え見えである。もし彼らにそのことを問えば、きっとこういう応えが返ってくるであろう。「経済成長がなければ雇用の増大もないし、政府の税収の増加も見込めない。そうなれば人々の生活が脅かされることは必至ではないか」これはいま、党の分裂をも顧みず消費税を上げようと必至になっている野田政権の立場そのものでもある。

 さて、考えても見よ、ここ何十年か、政府は「経済成長」を押し進めてきた、しかし、それによってわれわれの生活や人生が豊かになったであろうか? 1990年代末から2000年代初めにかけてのバブル崩壊で「経済成長」が縮小した時期から、やがて2008年頃には「経済成長が回復しつつある」と政府は公言していた。しかし、その後、雇用は一向に改善されず、ますます失業者が増えている。たとえ雇用が増えても、その内容は、過酷で不安定な労働であり、資本の成長のための「道具」とされた労働者のストレスと自己疎外に充ちた生活を生み出しているだけではないか!

 ここ数十年、懸命に働いてきた労働者たちは、その労働力を使い果たしたのちに、それに報いる充実した生活にたどりつけたであろうか。断じて否である。

 いまや日本商工会議所や現政府のいう「経済成長」とは誰のための「成長」か明白ではないか。資本家階級のためだ!労働者階級は、かれらのために何十年もの間、その労働力を彼らの富を増やすために搾取され続けてきた。そしてそこから搾取された富は、次々と無駄な消費を生み出しつつ、いまやグローバルな過剰流動資本となって、世界中で投資や投機の対象となり、世界中の国々の社会を混乱に陥れている。

 われわれは、そんな「経済成長」は決して望まない。われわれの望むのは、充実した人生を送れる社会であり、充実した生活である。ここでいう充実とは、資本家たちによって生み出されてきた、無駄な消費とエネルギーの浪費を促進させながら、生活をガラクタのようなモノたちで溢れさすことでは決してない。

 われわれが望むのは、必要なモノを必要なだけ作れば足りる「コンパクトな社会」である。そこでは「必要」の中身が重要であり、個人にとっても社会にとっても普遍的な意味をもつ「必要」である。

 そういう社会をつくっていくためには、資本家たちのいう「経済成長」などまったく必要がないし、まして「経済成長」のために必須の条件と言われる原発などまったく必要もない。むしろあってはならないものである。

そして「持続可能な経済成長」などという矛盾にみちた虚言に騙されないことが必要だ。持続可能な社会をつくるためのはむしろ「経済成長」は不要であり、障害でしかない。

 資本家イデオロギーによる偽りの「経済成長」幻想から決別しよう!そしてそのために原発全廃を第一歩として、そこから新しい社会システムの建設にむけて前進しよう!

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コメント

野口さん、今晩は。
一周遅れのお笑いコメントで申し訳ありませんが、夏休みのお楽しみとして、入れさせて貰いました。

まずは経団連夏期フォーラム2012議長総括
資本家の頭の中がなんと情けないものなのか理解させてくれますが、このしぶとさも故あってのことと思い知らされます。以下要約

グローバル競争と我国の立地競争力の低下により、企業の存続が掛かっている。海外拠点化で生き残りを図るのがその一つの解だが、それでは豊かな国民生活が損なわれる。いかなる智恵が必要となるか考えよう。
1 諸外国に遅れを取らぬよう、イノベーションを加速しなければならない。
2 日米同盟強化、新興国等の需要の取り込み、先進分野で世界をリードする。
3 実質2%名目3%の経済成長を通じて雇用を確保し、社会保障制度を維持し、豊かな国づくりを実現する。
4 エネルギー問題が経済成長の足かせにならぬよう、原子力維持をベースに再生可能エネルギーの導入量を現実的なものとして再構築する。

これらに(経団連は)どのように取り組むか。
1 先進分野では供給体制を堅持、日本で成功した財・サービスを各国に提供
2 グローバル人材の育成
3 需要の発掘
(1)未来都市ブロジェクト(海外展開も可能な先進的な都市)
(2)力強い農業の構築 (農商工連携、輸出振興)
(3)IT ロボットによる医療介護サービスの高度化
(4)観光産業の振興

政府ならびに政治に期待する役割
政府は「本格的復旧復興の加速化」、「成長の実現と雇用の創出」、「持続可能な社会保障・財政構造の確立」、「エネルギーの安定供給とエネルギー・環境政策の再構築」、「経済統合の促進と海外インフラの整備」を最重要課題として取り組むべきである。政治においては、上記項目の解決にリーダーシップを発揮し、「決断し実行する」政治を確立すべきである。
ここまでが総括文。

期待する役割と云う表現がなんとも可笑しい。政治をやらせるとか操作するとか勧告するとか直接的な表現はできないのである。決断し実行するは経団連が確立したかったんですね。確立して良かったですね。そっちは。こっちはこれからですね。決断違いですから。

もう一つの案件、経団連が各企業を代表して嫌がっている処。

http://www.keidanren.or.jp/policy/2012/007.html
会社法の見直しに関する中間試案に対する意見
株主名簿等の閲覧等の請求の拒絶事由
拒絶事由が不当に狭まることになりかねず、濫用的な請求を拒絶し得るかの判断に係る企業の負担の増大することになる。と。

海外拠点化から生じる外国での訴訟負担の問題に気が気でないのである。

総括なんてえのも懐かしいし、拒絶事由を広くして置きたい根性も見事なもの。

話は一転、民主党が次期選挙のキャッチフレーズを身内で募集したことから、漏れ出て、2チャンネルを賑わせていることといったら。
以下、その例及び、多少添削したもの、勝手に追加したもの等。採用されそうなものは皆無だが。

No We Can't
我々は何もしない
零からの再出発

国民の生活は二の次
国民の生活が二番じゃダメなんですか
経団連のご要望が第一
国民の生活ってなんだっけ
国民の生活がどうした
国民の生活は無駄、いやダムだったかな
最低でも国民生活は圏外
本当の地獄こそ第一

あなたの財布は埋蔵金
消費税以外の増税はいたしません
尖閣を買って、高く売る
日本企業の皆様、海外進出を全力でサポートします
経済成長一筋 税一筋 責任政党、自公も協力

みなさん、おっ沢はいなくなりました
四党合意大連立目前
決断して大増税・再稼働・日米安保ね

消費税11%とりあえず反対
富裕層減税を加速
早急に株の目減り分を査定して補償します。

22世紀までに必ずマニフェストをやります
マニフェスト毎月公募毎月更新
次こそ公約守ります
コンクリートから放射能へ
騙されたと思ってもう一回
もういちどお灸を据えられてみないか

オスプレイで再稼動原発めぐり
ディズニーランドを無料化します

これでいい野だ
実績はある
キャッチフレーズなどいらない

人はいろいろと頭を使う。こんな風にも。

投稿: mizz | 2012年7月26日 (木) 20時48分

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