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2012年7月27日 (金)

閑話休題2:藤原智美の笑えるジョーク!

 あるサイトでの話題。最近、電車内で暴言を吐いたり、いわゆる「暴走老人」が増えたそうです。それについて、あるサイトで、ジャーナリストの藤原智美とかいう人が書いた、ある日刊紙の5月12日の記事を引用して次の様に「分析」している。

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 現在の老人の死生観は我々と全く異なる。そのうえ人間関係が希薄なため暴走しやすい。暴走する老人事情に詳しいジャーナリスト・藤原智美氏によると、「すぐキレる」老人が急増した背景には、この世代が育った環境の問題が影響しているという。「たとえば今の70代は’42年以前生まれで、人格形成の最初期に終戦直後の混乱を味わっている。家族や知人が死んでいく様をリアルタイムで見ているため、死生観が我々とは大きく異なるのです」

 まさに生きるか、死ぬかの二元的世界観が形成されたのだ。また、青年期を’60年代に過ごしたことも、破滅的な人格形成の大きな要因だという。映画などでは美化されているが’60年代とは、貧困と暴力が横行していた。その中で成長過程を過ごし、人間的にタガが外れてしまっているのだという。

 対処法はあるのだろうか?

「とにかく今の老人は人間関係が希薄。社会的にも孤立しており、話し相手が近所のスナック常連だけといった人が腐るほどいます。下の世代としては、交友関係を広げてあげるよう手助けしていくことが必要です」

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ウ〜ム、ちょうどその世代に当たる私なんぞは、そういう目で見られているのかといささかムズガユク感じ、そののち、ハハハと大笑いしてしまった。「人格形成の最初期に終戦直後の混乱を味わっている」のは確かだが、「生きるか、死ぬかの二元的世界観が形成された」とはチト大げさな!

 戦争直後の日本は、空襲で街は焼失し、食料もなく、毎日虫のついた古米や、配給される沖縄100号とかいうまずいサツマイモが主食だった。しかし、私にとって、もう空襲の心配がない世界は、とてつもなく開放的で明るかった。だから少年時代は近くの川にザリガニ取りに行ったり、古ハガキで飛行機を作って友達と飛ばしっこをやったり、ターザンごっこで木に登ったりと、毎日がとても楽しかった。

 まして「青年期を’60年代に過ごしたことも、破滅的な人格形成の大きな要因だという。映画などでは美化されているが’60年代とは、貧困と暴力が横行していた。その中で成長過程を過ごし、人間的にタガが外れてしまっている」などという「分析」はぜんぜん当たっていない。

 私の同世代には横綱大鵬、ジャイアンツの王選手、ビートルズのジョンレノン(彼は日本人でないから関係ないかな?)、ついでにいえば写真家の荒木経惟などがいる。彼らはそれぞれ一癖も二癖もあるが、「人間的にタガが外れてしまった」「破壊的な人格」だといえますか?

 たしかに私なんかは多少「人間的にタガが外れてしまっている」部類に入るかもしれないが(笑)。

 そして60年代は第一次安保闘争の時代であり、その10年後は70年安保で学生運動が盛り上がった時代であった。この時代はいまと比べれば、比較にならないほど、若者にエネルギーがあった。つまり自分たちの力で世の中を変えることができると信じていたのである。そういう意味では、「60年代とは、貧困と暴力が横行していた」などというのはウソっぱちもいいところである。たしかに70年代の学生運動では、一部の党派間でいわゆる「内ゲバ」などがあったが、それはあくまで思想的な対立であり、昨今、起きている秋葉原事件、アメリカでの銃乱射事件、ノルウエーの小島での銃による大量殺人などのような、無関係な他者を無差別に大量に殺す様なおそろしい事件は起きなかった。いまの方が遥かに暗く鬱屈した暴力と格差による貧困が深まっているし、破壊的な人格が形成されやすくなっている時代とは思いませんか?

 われわれ世代の老人が「切れる」のはむしろいまの若い人たちにもっと未来を生み出そうとするエネルギーをもってほしいという「じれったさ」があるからだ、と言った方が当たっているのではないだろうか?

 それはともかく、藤原智美さんとやら、老人の交友関係を広げてくれるのは結構ですが、ジャーナリストならもう少し、深い人間観察と歴史観・社会観が必要なんじゃありません? でないとわれわれ世代の老人からはジョークとして笑い飛ばされてしまいますよ!

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