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2012年10月30日 (火)

「置かれた場所で咲きなさい??」へのコメントにお応えして

 前回の「置かれた場所で咲きなさい??」にmizzさんからコメントを頂いた。

私はこの本の著者が先日、NHK FM放送の「日曜喫茶室」に登場したのを聞いていました。司会のはかまさんはこの言葉に甚く感動されたようだったが、ご本人がしゃべり出すと私は「何だそうだったのか!」と気がつきました。著者は、自分がある宗教団体の経営する大学の学長であったこと、そしてその後理事長を務めていること(つまり支配階級を構成する一員であること)をまず誇らしげに強調し、この本を書いたいきさつを述べていました。 mizzさんが言われるとおり、「"Bloom where God has planted you." (God has をYou have been としたところが、いかにもの、神かくし。)」なのです。信仰あつき人が人々の救済を願って書いたということなのでしょうが、それはまったく、世の中の矛盾を補完するものでしかなく、「与えられた人生を悔いなく満足感をもって生きること」で、矛盾を神のご意志による試練として受け止めさせようというわけです。
 頭が良くて行動力のある人が資本家や政治家になるのは当然で、そうでない「フツーの人々」はその人たちの言うがままに自らに与えられた役目(賃労働者)を果たせばよいのだ、という支配的イデオロギーの中で、煩悶し苦闘しながら不条理な人生を送っている人々に「迷い」を捨てさせ、「仕事に励め」というわけです。
 資本家は資本家になるべくしてなったのであり、賃金奴隷は賃金奴隷として生まれてきたのであって、その事実を謙虚に受け止めよ、というわけですね。ここに現代社会での宗教の役割が端的に表れていると思います。
 こういう人たちから見れば、労働者のストライキやデモなどは、「おまえたちは信心が足らん!」ということになるのでしょうね。社会的な矛盾に異を唱える人々を「不満分子」として捉え、宗教の助けを借りて「心の持ちよう」で解決しようとする態度は、歴史に登場した支配階級が常に用いてきた宗教を援用した支配の常套手段です。
 われわれはこのようなごまかしに乗せられず、徹底的に客観的事実をもとにした論理的思考と冷静な行動によって矛盾と対決し、真実を暴き出すことで、歴史を前に進めるべきだと思います。
 宗教は、唯物論を「悪魔」の思想と決めつけ、心の問題を無視していると考えているようですが、実は唯物論の本当の姿は、物質の自己運動という自然の摂理の中で、その一部を構成する人類が、その自然の摂理を科学的真理として理解することで、より一層自分自身を深く理解し、人間的なものの意味を理解しようとする考え方であって、虚偽を信じることで心の安寧を求める態度よりはるかに深く真理の追究をする態度だと思います。
 キリストや仏陀がその当時の文化社会状況の中で、人類世界や宇宙の成り立ちをそれなりに精一杯理解しようとしたことは確かに尊敬に値しますが、その世界観は現代においてはもうほとんど通用せず、したがってもう一つの別の機能(政治的支配の道具という)が全面に出ざるを得ないのだと思われます。
 ただただ「置かれた場所で咲く」ことを強調する前に、「置く人」と「置かれる人」の関係がなぜ、どこから生まれるのかを冷静に見抜くことこそが必要なのではないでしょうか?
 

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コメント

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Thomas S. Kellner

投稿: Thomas S. Kellner | 2012年10月30日 (火) 17時25分

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