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2012年12月15日 (土)

総選挙を前にしていまの社会の矛盾をどうとらえるのか?

 あまりに大きな問題なので、ここではその要点のみかいつまんで記しておくことにしよう。

1.人類が生きてゆくために依存しなければならない地球に存在する資源(エネルギーを含む)は増えることはなく、ほとんど一定の値である。それにも拘わらず人類の経済活動が拡大し「消費」が増大し続ければ、やがて資源は枯渇し、人類は危機に陥ることは明白である。
2.本来、人類の経済活動は、「消費」を拡大することではなく、地球資源の使用を生産と消費のバランスの良い社会で行いつつそれを維持することが目的であったはずだ。経済学は資本家の富を成長させるための学問ではなかったはずではないか。
3.しかし、いまの資本主義社会は、つねに「消費の拡大」を維持しなければ成り立たなくなっており、社会保障や医療など資本の利益に直接つながらないが社会共通に必要な経費は、その「消費拡大」による「経済成長」で利益に余裕ができるあろう資本家的企業からの税収に依存するしかないと言われている。これはまったく矛盾した主張である。
4.なぜなら、資本として蓄積されている膨大な富は、労働者(農業労働を含めた社会に必要なあらゆる種類の労働を担う人々)が生みだしたものであって、本来すべてそれらの富を生みだした労働者に分配・還元されねばならないはずのものであり、社会保障や医療など社会共通経費は、直接それらの富から拠出されるべきものであるからだ。しかし、資本家はそれを私的に所有し、資本の拡大に不利にならない程度に、労働者を生かしておくために資本家同士が「仕方なく」共通に支払わねばならない税としか考えない。だから「成長」が必要なのだ。
5.資本はいまやグローバルな市場において、資本家同士の競争に打ち勝つため、労働者から搾り取って蓄積した富をあらたな投資に振り向けることしか考えていない。だから、その「仕方なく」支払う税負担をできるだけ減らすために労働者からさらに「消費税」を取り立てる必要があるのだ。
6.この理不尽な「経済成長」は、いわば無政府的に繰り返されるグローバル市場での資本家間の競争に勝つことが大前提であって、そのために資本家たちは「原発」は必要不可欠であるという立場なのだ。
7.「経済成長」すれば雇用が拡大されるというのは、うそであり、たとえ数値の上で失業率が減っても、雇用された労働者の労働内容(生産的労働から直接社会にとって必要でないサービス産業やレジャー産業などのような不生産的産業での労働の従事へ)や労働条件(賃金水準やいつでも首切りができるように法律が改正されるなども含めて)は悪くなる一方である。要するに「経済成長」は資本の成長であって、それによって労働者の生活は少しも成長せず、そればかりかかえって悪化するだろう。
8.資本がグローバルな市場で得た利益の配分は、国際的な金融機関を通じてグローバルな資本間でこれを調整しあう。しかし、労働者はつねに安い労働力を求める資本家や、資本家と労働者の間でたえず生じるおそれのある階級闘争を未然に防ごうとする資本家的国家によるナショナリズム(国民意識)の高揚という壁に阻まれて、「国家対立」という形に持ち込まれ、国や地域による賃金水準や労働条件の差が維持され続ける。
9.このような背景のもとで、一方では、わが国の憲法が「改正」され、国防軍の設置が目指され、他方では、TPPなどグローバル市場での資本に有利なしかし農民には不利な条約を目指した貿易協定に突き進みつつある。
10.いまこそ、世界中の労働者が互いにその共通した矛盾を認識し、結束して、この馬鹿げた資本の競争を止めさせ、富の正当な社会的配分と、国家間の紛争にブレーキをかけることを目指すべきときなのではないだろうか?
11.そして、このような現実にあってもまだ、「経済成長」至上主義や国防軍設置を主張する政党に投票する理由がどこにあるのだろうか?

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