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2012年12月2日 - 2012年12月8日

2012年12月 4日 (火)

総選挙の政党乱戦模様にごまかされないために

 まったく、いやになるほど様々な政党が総選挙に向けて旗揚げしたが、よく見ると各党は「政策の差別化」をして独自性を出そうと必死になっているにも拘わらず、mizzさんからコメントしていただいた、「経済同友会」(資本家的経営者の組織)の公開質問状への回答から見るかぎり政策の基盤をなす経済政策に関しては基本的には共通点が多い2つか3つのグループに分かれるようだ。

 第一は、「経済成長」に重点を置き、自由貿易主義や「企業の自由な活動」を推進させる政策(規制緩和・金融政策など)で、その競争力を高め、収益性を改善させ、それによって雇用を拡大し、医療・介護・福祉などへの財政を破綻させないように税収を増やす、というグループ。自民、民主、新党改革、維新の会、みんなの党、国民新党などがこれに属する。さらに細かく見れば、第一のグループは、この基本的経済政策を前提に、「強いリーダー」によって、憲法を「改正」し、自衛隊の位置づけをはっきりさせ「国民意識」を高めようとするグループ(自民、維新がこれに属する)と、それにはあまり積極的ではないグループ(公明、新党改革、みんなの党など)に分かれる。民主党はその中間であろうか?はっきりしない。
 第二は、生活者(労働者を含む)の生活に重点を置き、企業優先政策がそれを破壊させることへの疑念と反対を主張するグループ。共産党、社民党がこれに属する。第二のグループは一番まともなのだが、残念ながら、この諸悪の根源である資本主義経済体制をどのように変革していくのかについての展望は全然はっきりしていない。
 そして第三グループは、原発、東日本大震災からの復興、TPP、などの問題を取り上げ、第一グループの企業優先的経済政策に対抗して地域自立型経済や「日本型」経済を主張しながらも、それが第一グループのよって立つ基本的経済政策とどう対決していくのかについてがはっきりしないグループ(未来の党、みどりの風など)である。
 そこで、一番多い、第一グループの経済政策がまったく明示していないその根本的欠陥を指摘しておこう。それは、まず、資本家的企業が「成長」するためには、競争力が必要であるという把握である。実際いまのグローバル市場で繰り広げられる苛烈な競争は、誰のための競争なのか?本当にわれわれ生活者(労働者)にとって必要な競争なのか?おそらく途方もなく無駄な資本家企業間でのシェア争いに過ぎず、それによって失われるのは、地球資源であり、自然環境であり、そしてわれわれの生活そのものであろう。この馬鹿げた競争に歯止めをかけ、「経済成長」という名目の資本の成長がなくともわれわれの生活が成長するような国際的な経済体制を確立させることが最重要な課題ではなかろうか?
 そして「規制緩和」「経済成長」によって雇用が促進される、というのも真っ赤なウソである。「規制緩和」によって「自由度」を増すのは資本家であって、労働市場で、労働者はその労働力を資本家的経営者に買ってもらわない限り生活できないのであり、「規制緩和」で資本家が自由に労働者を解雇できるようにすれば資本の側は、法律に縛られずに気軽に雇用することができるようになるだろう。だから企業が気軽に雇用できるようになるという側面のみを強調する連中が「雇用促進が進む」などというのである。
 そして資本家間の競争が激化すればするほど、生産の「合理化」が進み、生産的企業に雇用される労働者の数は確実に減るのである。生産企業の雇用は労働賃金の安い国々へと移り、労働力が比較的高い国の労働者は、生産的労働ではなく、第3次産業や金融企業あるいは「付加価値産業」での雇用に頼らざるを得なくなる。つまり空洞化である。やがて「価値創造」は低賃金国の労働者から搾取される剰余価値に依存しつつ、それによって得た富を決してわれわれの生活や社会福祉などに還元するのではなく、さらなる利益を求めて第3次産業などの不生産的企業に回したり、投機マネーとして株の売り買いや企業買収などに注ぎ込むのである。労働者は、結局これらの資本で富を築いた「富裕層」のしもべに成り下がることになり、一層不安定な労働条件のもとで厳しい生活を強いられることになるのだ。すでにこれまでの自民・公明中心の政権が進めてきた経済政策の顛末を見ればこれを歴史が実証していることが明らかではないか。
 選挙民は、第一グループの基本経済政策には、このような未来が待っていることを気づくべきである。第二グループと第三グループは、いまこそ、このことを明確に意識して、この末期的資本主義経済体制を変革するための、より客観的で科学的な経済政策や歴史転換のマニフェストを打ち立てるべきだと思う。それができない限り、永遠のマイノリティー政党でしかないだろう。

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