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2013年5月21日 (火)

アベノミクス・コメディー

 昨日NHKのニュースで放映されていたが、甘利経済再生相が、アベノミクス経済成長戦略第2弾で、経済成長推進のためには労働賃金が上がって消費が増えることが必要なので、政府・企業・労働側を含めた交渉組織を考えている、と漏らしたところ、たちまち「経済界」から反応があり、米倉経団連会長は、まず成長戦略第2弾に法人税軽減が含まれていないことへの不満を述べ、それとともに、賃上げ問題に関しては政府がこれをとやかく言うのではなく産業界に任せるべきだとクレームをつけた。また長谷川経済同友会代表幹事も成長戦略がうまく進んでいるかどうかを監視する組織が必要だとプレッシャーをかけた。

 巷では、安倍さんが一生懸命庶民の生活のことを考えてくれている、と受け止めたむきもあるかも知れないが、私はこれは安倍内閣と産業界(資本家たち)との間で演じられた茶番劇だと見る。

 安倍さんは、産業界の収益が増えてくれることによりそれが労働者の賃上げにつながり、消費を拡大して、「成長の好循環」を生むと言っているが、ここで産業界の本音が出てきたのだ。資本家たちは賃上げ問題は雇用者と被雇用者の間の問題であると、「資本家的自由」を主張する。その一方で諸外国に比べて日本は法人税が高いからという理由で法人税減税をすべきだと、政府に要求する。勝手な話である。
 そもそも資本家を資本家たらしめている富をいったい誰が稼ぎ出したと思ってるのだろうか?資本家たちは労働者に稼がしてただそれをいかにうまく自分たちの利益として吸い上げるかという視点で「経営」しているに過ぎないのだ。それにもかかわらず、資本家たちは自分の企業が経営難に陥ると、自分たちの富の稼ぎ手である労働者を「合理化」と称して大量に「整理」するのだ。そして「企業の国際競争力」(実はグローバル資本家同士の利益獲得競争である)をつけるために労働賃金は上げられないし、法人税は減税されるべきだと主張する。その結果は、法人税減税による政府の財政難を補うために「消費税増税」というかたちで、実質賃金の上がらない労働者側に跳ね返ってくるのだが、もちろん「経営者」側にとってそんなことはどうでもいいことだろう。
 一方安倍内閣の面々は、7月の参院戦が気になってしょうがない。ここで庶民の人気が落ちないように懸命である。業界への賃上げアピールはそのための「必要条件」であろう。しかし、選挙が終わって自民・公明連合が圧勝したなら、事態は急変すると思う。つまり政府は業界の要求を受け入れ、賃上げ問題は業界に任せ、法人税を減税し、その代わり消費税は予定通り上げる、ということになるだろう。
 こんな茶番にだまされるものか!

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