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2013年5月28日 (火)

グローバル資本の「合法的」脱税

 昨日のNHK-TVでも放映されていたが、有名グローバル企業の大半がケイマン諸島などの「タックスヘイブン」に大量の資本を移し、税金逃れをしている。その額は半端ではない、数十兆円にもおよぶ額である。資本家側に言わせれば、これは当然のことであり、むしろ国際的競争の中で消費者に安くて良い商品を提供するための必要なことだ、とのこと。しかしこれは明らかに脱税である。これを取り締まる国際的機関が存在しない現在、それは違法とすることができないだけである。

 いまや先進資本主義諸国を含め世界中の国々の財政を左右できる力を持ったグローバル資本が、その利益を獲得している国々への税を支払わず、タックスヘイブンを通じて巨額の自己資金を蓄積していく中で、それらの国々で働く労働者たちは、政府の社会的経費を維持するために高い税金を払わなければならなくなっている。EU諸国で起きている政府の財政難ではこうしたグローバル資本の振る舞いに振り回され、ただでさえ仕事を奪われている労働者たちが増税や緊縮財政の犠牲になっているのだ。
 TVでも指摘されていたが、国境を越えて、むしろ国による違いを最大限に利用して、利益追求に奔走するグローバル資本にたいして、国境の中に閉じ込められた労働者階級はどうすることもできないのである。
 もしこのグローバル資本が脱税した巨額の資本をすべて、それらの価値を生みだした労働者たちの生活する国々に正当に還元することができたならば、貧困に追い詰められた彼らへの増税などまったく必要なくなるはずだ。
 そして問題はそれだけではない。グローバル資本は、世界中で繰り広げられている資源と安い労働力の獲得競争のために国家を最大限に利用している。いまアフリカがそうしたグローバル資本たちによる、ぶんどり合戦の最前線になっている。
 そこではグローバル資本拠点国の「国益」のためと称して、アフリカでの利権獲得競争が、そこに暮らす何億もの人々の労働力や生活を価値の源泉として囲い込もうとしている。これまで独自の文化をもって生活してきたアフリカの人々が、強引に、商品経済に引き込まれ、あらゆる生活必需品を商品として買わなければ生きてゆけなくなり、そのために労働力を資本家に提供しなければならなくさせている。その中で首尾良くグローバル資本の「おこぼれ」を頂戴するようになれた人々は「富裕層」や「中間層」として社会の中心に位置づけられ、西欧型消費社会を目指してグローバル資本をサポートしているが、他方では圧倒的多数の人々が新たな貧困層になって行き、アフリカでも格差社会化が進行している。
 こうした流れに抵抗する新貧困層の一部は支配層からは「危険なグループ」とみなされ、グローバル資本はそうした軋轢を通じて間接的にアフリカ人同士の戦いを煽っている。その背後で国際的に暗躍するグローバルな武器商人たちとそれに大量の武器を提供する軍需産業も利益を画策しているのだ。
 これらのおそろしい現実によって収奪された、何カ国もの国家予算に匹敵する莫大なグローバル資本がタックスヘイブンに流れ込んでいるのだ。
 

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資本論第二章が思い当たる。向坂訳から行こう。「商品は、自分自身で市場に行くことができず、また自分自身で交換されることもできない。したがって、われわれはその番人を、すなわち、商品所有者をさがさなければならない。商品は物であって、従って人間に対しては無抵抗である。もし商品が従順でないようなばあいには、人間は暴力を用いることができる。言葉を換えていえば、これを持って歩くことができる。」向坂訳ですんなり意味が分かるかどうかはともかく、タックスヘブンへ行こうと行くまいと、貨幣商品の所有者名がどうであろうとも、世界法人番号によって識別される証明書によって把握される物にすぎない。資本家は商売の自由を大声で唱えるが、貨幣の単なる番人であることを明らかにされる自由だけはお嫌いの様である。つまり国民背番号で把握されるように、企業グローバル背番号で貨幣所有物が把握されることはお気に召さない。貨幣額は単なる数値か単なる数式で表され、金貨のように磨耗することもないし、いつまでも名目値で存在し、所有者が存在する。コンピュータのデジタル信号で管理可能なのである。一瞬にして、背番号を集計すれば、いかなるグローバル企業であれ、収入と支出はどこまでも把握される。当然のことであるが、そこに不払い労働が見出される。不払い労賃の行方もまた把握される。それを法律でどうあつかうかは今のところどうでもいいことだが、貨幣の全流通・交換・変換が自動的に把握される仕組みはすでに可能である。ご資本さまは、世界の大勢の人々のために役立てる自由が奪われると文句を云うだろうし、そんなことをやる政府を認めはしない。だが、分かると云う単純な事実が分からない。

投稿: mizz | 2013年5月28日 (火) 20時52分

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