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2013年6月 3日 (月)

アフリカの囲い込みを巡って争う中国と日本の資本家代表政府

 TICADという日本政府がアフリカ諸国の政府要人を招いて行う会議が横浜であった。この会議には日本政府の要人と、経団連会長をはじめとした日本を代表する資本家団体の要人たちが顔をそろえ、アフリカからは各国の産業に支配力を持っている政府要人たちが集まった。

 そこで行われた会議では、日本がアフリカ諸国に単なる支援だけではなく積極的に投資を行い、アフリカ諸国の開発と成長を助け、日本もその成長の恩恵を受けるという「ウインウイン」の関係を生みだすことが目指されるのだそうだ。
 しかし、ここで言われている「日本」とか「アフリカ諸国」とはそれらの国々の経済を支配し、労働力を支配している支配階級のことを指すのであって、それらの国々で労働力を「経済の成長」すなわち資本の成長のために搾り取られている労働者や農民のことを指すのではないことは明らかだ。「ウィンウィン」の関係は両国の資本家を中心とした支配層が得るものであって、その陰では過酷な労働と失業に脅かされながら不安定な生活にあえぎ続ける圧倒的多数の人々がうごめいている。それらの人々は、支配階級から見れば単に労働力の提供者であるとともに、国内市場において「消費者」として、生活資料の購買を通じて資本家に富を環流させる手段でしかない。
 アフリカでは中国がすでに莫大な投資を行い、その資源の囲い込みと市場の獲得に奔走している。中国は共産党の指導の下でアメリカと似た消費主導型資本主義経済を確立しつつあり、「世界の工場」としての輸出産業ばかりではなく、国内市場においてもその人口に見合った膨大なエネルギー消費と農産物の消費を必要としており、その体制を維持させるためになりふり構わず資源が埋蔵されている公海や島しょの領有権を主張しだした。友好的な経済関係という形ではあるが、アフリカ進出もその一環であると考えられる。
 一方、日本の安倍政権は、だんだん高騰してきたアジア諸国の労働力より安い労働力を求めて、グローバル市場で競争する日本の企業が生産拠点をアフリカに移す必要が出てきたことと、輸出を増やすために増産し、国内でも消費拡大を尻押しするために莫大なエネルギーや資源を必要としているので、それを安定に供給するためアフリカの豊富な資源も含めて多くの供給源から確保する体制が必要なのである。
 こうしてやがて中国や日本からアフリカの最前線に送り込まれる「企業戦士」たちによって、アフリカの人々もグローバル資本の支配のもとに置かれることになるだろうが、それは一方で「持続可能なグリーン開発」というカンバンのもとで歯止めの効かなくなった競争により、地球環境破壊をいっそう促進させることになるとともに、それらの国々で労働力を搾取される労働者や農民から激しい抵抗を受けるようになるだろう。いま日本に来ているアフリカの要人たちは、そうした自分たちの国で起きるであろう抵抗運動を軍事力をもって制圧する事になるのだろうし、すでにそのための準備も怠りないのであろう。
 そのとき中国や日本の政府は資本家たちの利権を護るためにどう動くのか、見ものである。中国と日本がこうした利権争いがもとで軍事的な衝突にまで発展した場合にはどうなるか、想像しておく必要があるかのしれない。そのときになって、ナショナリズムの旗を振る支配層とは裏腹に、日本と中国の労働者・農民は、互いにアフリカの民と同じ立場に置かれている事に気付くことになるのかもしれない。

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