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2013年6月 6日 (木)

全貌が明らかとなったアベノミクスの中身

  安倍首相がアベノミクス「第3の矢」である成長戦略の中身を品揃えした。しかしそれを受けて、頼みの株式市場が下落した。これについて今朝の朝日新聞が解説を書いているが、そこで「エコノミスト」として取り上げられているコメントはすべて証券会社系の人々である。労働者側の立場を代表する人間は含まれない。これも「市民の味方」を装ういまの朝日新聞の本質を表している。

 いうまでもなく、安倍首相のいう「民間投資」とは資本家の投資のことである。「30兆円のインフラ輸出」は原発を含めた東芝、日立など日本の重電関係大企業各社による商売であり、「35兆円の外資の対日直接投資」はいわゆるグローバル市場で利益獲得競争を繰り返している投資家たちによる投資である。
 これらの資本家たちに莫大な利益をもたらすためには「規制緩和」が必要なのであり、安くて国内で調達しやすい「女性の労働力」が必要なのであり、「攻めの農業」による自立小規模農家の破壊とその大規模農業資本への吸収が必要なのでり、薬品のネット販売許可による中小薬局店のネット系大資本への吸収が必要なのである。
 すべては資本家たちへの大サービスであり、それによってやがては労働者もそのおこぼれ(トリクルダウン)を頂戴できるようになるぞ、というのが「GNI 150万増」というバーチャルイメージなのである。
 しかし、投資家という資本家の中でも、もっとも資本家的本質を持った連中の動きは、それに失望したようだ。彼らはパソコンを一日中にらみ続けて、「売り」と「買い」のボタンを押すだけで巨額のカネ儲けをしているリアリストであるから、この安倍さんの「バラ色のカンバン」には中身がないと判断したのだ。また、商品市場で競争している資本家たちにとっては「法人税減税」という項目がないのが気に入らないらしい。
 しかし、7月に参院選が終わり、自民・公明連合が勝利すれば、きっと法人税は減税される。そして、消費税が来年から上がることになるだろう。そう、資本家たちへの大サービスの代償を労働者側が支払わねばならなくなるのだ。
 そして、GNI という、資本家側にとっての「可変資本部分」の位置づけでしかない労働者の生活への擬制的指標が150万増えることになる(これも実際には実現不可能だろうが)といっても、労働者の実質賃金は決して増えないであろう。なぜなら、資本家たちは、グローバル市場で激化していく競争(人類全体にとっては全く意味のない無駄な競争なのだが)に勝つためには、労働賃金である「可変資本部分」をできうる限り減らさなければならないからである。そして社会的必要経費(医療保険、教育費、福利厚生費など)への政府の出費は資本家からではなく、消費税などという形で労働者側から搾り出されることになるからである。
 しかもこうした資本家側への大サービスを円滑にすすめるために行われているインフレ政策によって貨幣価値は下がり、たとえ労働賃金が上がったように見えても、実は上がっていないことになる。そして多くを輸入品に頼らざるを得なくなってしまった生活必需品の価格が円安によって値上がりし、金利が上がることによって住宅ローンが上がり、ますます生活が苦しくなってきているのが現実である。母親が働かなくてはやっていけない家庭がどんどん増え、保育園がたりなくなっているのもそのせいである。
 安倍さんがどんどん新しい政策を打ち出し、景気は良くなって、将来が明るくなってきた、などど騙されてはいけない。今度の選挙ではネットを使った選挙運動が激しきなるだろうが、それに惑わされず、アベノミクスの本質を見抜き、われわれの社会の将来を資本家階級からわれわれの手に取り戻さなければならないことを自覚すべきだろう。

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