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2013年7月 3日 (水)

安倍「独裁」政権成立後の社会を予測する

 7月21日に迫った参院選で自公連合が圧勝すれば、衆院・参院とも自公連合が制覇することになり、いわば「安倍独裁政権」が成立する。

 そこで何が始まるかを考えてみよう。まず来年からの消費税増税は必須であろう。そしてすでに始まっているが、原発再稼働への尻押し、そしてTPPなど自由貿易戦争への突入、さらには、ナショナリズム前面化による中国との軍事的対立の激化とそれを利用した世論の操作にもとづく憲法改悪(自衛隊の国軍化)である。
 グローバル資本間の国際競争がますます激化する中、台頭する中国などの新興資本主義国との競争に勝つためという名目で、経済成長が絶対視され、そのために企業の生産力を上げさせる必要があり、原発停止による化石燃料にたよるエネルギーが円安で高く付くために生じる赤字を解消するには電気料金を大幅値上げするしかなく、それを緩和するためには原発再稼働が必須であるという世論を醸成させ、それを推進する。こうして、反原発運動を「偏った思想」と烙印することで反原発運動を内部から崩壊させる一方で、同時に、社会保障や福祉に必要な予算を資本家からではなく、働く人々の賃金からかすめ取る消費税によって補おうとする政策をも容認させようというのだ。
 しかし、安倍政権の円札垂れ流しインフレ政策によって株価が上がり、金融市場での金回りがよくなったために、円安が進み、ほとんどを輸入に頼っている日本の生活消費財の価格が上がり、働く人々は、ただでさえ以前より生活が苦しくなっている。収入がふえたのはアベノミクス思惑で値上がりした株で大もうけした投資家と、円高輸出で収入が大幅に増えた大資本の経営者やそのおこぼれを頂戴する従業員たちだけである。その上彼らは法人税減税の恩恵までうけ、他方、大多数の働く人々は生活が苦しくなる中でさらに消費税に追い打ちを掛けられる。
 こうしていまの日本では確実に社会格差が増大している。失業率が低下したなどといっている中で、生活保護受給者数は増加し、正規雇用者は減少し、不安定な非正規雇用者の比率が増え、「買い手市場」の労働市場を背景に、雇用された人たちへの労働の過酷化が当然のように容認され、労働者を護る法的措置は骨抜きにされ、それもこれも経済成長のためということで我慢を強いられる。働く人々は、「アベノミクス」で経済が成長し、われわれの賃金も上がって、生活が楽になるために一時の痛みに耐えねばならないと信じ込まされる。
 そして「(古き良き?)ニッポンを取り戻す」というかけ声の前で、人々は、ナショナリズムを吹き込まれ、憲法改悪を許容する雰囲気にさせられていく。
 そして政権担当者はこういうだろう「われわれは大多数の国民の付託をうけたのであって、それに応えねばならないのだ」と。
 さあ、それでもあなたは、7月21日に自民党や公明党に投票しますか?

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コメント

野口さん、今晩は。今日参院選告示。その結果は自公圧勝との予測をマスコミが大きく流していますが、そう簡単にそのような状況が出現するとは思いたくありません。

ではなにが期待できるのかとなりますが、まず筆頭は都議選の共産党の17議席が、参院選ではどのような結果をもたらすかです。自公圧勝でも、議案提出権や質問時間の長さが多少なりとも増えれば、相当の追及の手がかりが得られ、制約が生じるでしょうし、次回選挙への力になるでしょう。時間は掛かりますが、国民の政治把握力は増大します。

自公圧勝で当然ながら、資本の欲望はいろいろな点で明らかになり、またその施策によって国民生活に大きな負担が生じ、その反作用は増大します。企業減税やら公共投資やらと消費増税、福祉削減では困窮の度合と格差の増大が避けられません。原発の再事故もないとは言えないでしょう。軍備増大、国軍強化、アメリカとの共同作戦なども世界から激しくそのあり様を問われることになるはずです。世界各地の紛争に関与すればするほど、日本の経済も生活も圧迫されることでしょう。自公もこれを支えきれなくなる日が早晩訪れることになるでしょう。圧勝すればするほどその日が来るのも早まるでしょう。

待っていればそうなるなら、それでいいではないかとお思いならば、そうではありません。自公政権と対峙してこそ、次の衆院選挙への対応を決めるからこそ、そうなるのであって、安閑としている限りはそうはなりません。

なにも自公がなんやらを勝手にやるから問題だという話ではなく、資本主義的生産体制が資本家をして求めるものが何であって、その状況がどのように進展するかの分析が不可欠です。資本の化身である資本家がなにを求めているのかを考えて見ることです。その第一は資本の増大であって、そのための自由をますます世界中に求めています。またその自由を阻む勢力の抑圧も大きな側面です。テロ、デモ、一人一票の選挙、反資本主義的思想への対応もいろいろと必要に迫られています。教育や憲法への侵入も必要ですし、資本の増大に繋がる税金支出を増大させ、資本の磨耗に繋がる支出を圧縮することは緊急的対応として不可欠になっているのです。規制緩和とか成長戦略とか自己責任とかを掲げて、世界の労働者の命を圧殺しようとしています。

各党は資本家側に立つ自公、労働者側に立つ共産、その間にある自公補完勢力、自公より過激に資本側に立つ維新であることを正確に把握する必要があります。何故そのような各政党が出現するかは、資本側の様々な意図を反映するからです。

振り返って見れば、自公政権から民意が離れ、民主政権を選んだこと。しかし資本側の策に民意を捨てた民主の裏切りから、自公政権が復活したこと。でも衆院選挙で勝ったからと云って、民意を得たわけではなく、民主の公約違反に鉄槌を下したに過ぎないこと。決して自公の復活を了として許した分けではありません。民主が民意を得ることは当分困難であることから、自公の多数、ねじれ解消も予想されますが、民意はそう簡単に許すものではなく、補完勢力だとしても数の上では微妙な結果も皆無ではありません。共産の議席も以前よりは多くなり、論争時間も増え、ねじれ解消のみでは終わらないと思います。

社会的階級的な、そして歴史的な局面が待っているはずです。そしてさらに新たな歴史的局面が育まれるはずです。どんな結果になろうともです。

投稿: mizz | 2013年7月 4日 (木) 21時55分

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