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2013年7月22日 (月)

自民党は本当に「圧勝」したのか?

 参院選では、おおかたの予想通り、自民・公明連合が「圧勝」した。だが、人々は本当に自民党の政策を支持したのであろうか?NHKや朝日新聞が選挙前から行ってきたアンケートの結果を見ると、憲法の改定に対しては、賛成と反対が拮抗している。原発再稼働を急ぐ政策に疑問を感じる人々は多い。そして、TPP問題やぎくしゃくしている中国・韓国との関係に危惧を持つ人々も多い。ただ一点、経済状態の回復に対する期待感のみが自民党の得票を増やしたと言えるだろう。現に自民党は「アベノミクス」を前面に掲げて選挙に臨んだ。憲法問題や外交、TPP問題はあまり表に出さなかった。そしてアベノミクスに対抗できる経済政策を打ち出せなかった野党には選挙民もしらけきっていた。だから投票率は非常に低かった。

 G20などにおいても、「アベノミクス」は先進資本主義諸国政府から肯定されているようだ。しかしいま、これまでのアメリカ・日本・EU、そして中国、ロシア、ブラジル、インド、など新興資本主義諸国による世界経済の牽引という図式が崩れつつある。EUで財政破綻国が続出し、ドイツの経済がやっとそれを支えている状態であるし、中国も成長が鈍化し、新興富裕層と労働者との格差増大やリスクの大きい金融システム、そして官僚の汚職などが火種になりつつある。アメリカも一時的に景気が持ち直したと言っているが、世界資本主義におけるアメリカの支配力は凋落の一途を辿りつつある。いまやアメリカ資本主義経済は中国なしには成り立たない。そんな中で、アベノミクスが何となく刺激剤になりそうだという認識なのであろう。末期患者に与えられる麻薬のようなものかもしれない。
 アベノミクスでは「大胆な金融政策」や「機動的な財政」で株価を引き上げ、円安を招き、輸出企業の利益増大を生みだしつつある。しかし、膨大な借金を抱えた日本国政府の「成長戦略」は始めから怪しい状態である。そもそも輸出企業の利益増大は、法人税の減税などのため、結局政府の手に環流することはないだろう。
 なぜならば、輸出企業は世界市場でのグローバル資本家同士の馬鹿げた競争に勝ち抜くために、その減税をフル活用しようとしているし、雇用されている労働者の賃金も、競争に勝ち抜くためには上げられない。増大した利益はほとんどすべて競争に勝つための資金繰りや投資に回される。
 そしてわれわれの生活必需品の多くを占める輸入商品は値上がりするばかりである。生活必需品企業では、国内市場での厳しい競争に勝つため、労働賃金を抑え、雇用を差し控えて「合理化」に邁進せざるをえなくなっている。
 ただでさえ値上がりする生活必需品に消費税の増額が加わり、労働者は生活を切り詰めざるを得なくなるだろう。そしておそらくは社会保障は「消費税増額」によっても支えきれなくなるだろう。
 安い労働賃金を求めて海外に進出する企業が雇用するのは日本の労働者ではない。日本の国内では、せいぜい富裕層相手の第3次産業やサービス業という非生産部門での雇用がなんとか維持され、TPPによる「攻めの農業」の結果、自立小農家は壊滅し、農業は大資本の支配下に置かれることになるだろう。都市部で失業している労働者のある部分は、労働力が激減している地方で農業労働者として雇用されることになるかもしれないが、ここでも世界市場での競争に追いまくられることになる。
 安倍政権が原発再稼働を急ぐ背景にも大企業が「世界市場で勝ち抜く」という図式がある。そして今回の選挙では、多くの選挙民が、経済の復活のために原発再稼働は避けて通れないという、安倍資本家代表政府のイデオロギーに足をすくわれたのだろう。
 だが、世界資本主義経済体制全体が揺らぎはじめているいま、日本政府は膨大な負債が払い戻せなくなりアベノミクスがその崩壊を加速させる可能性が強い。
 いま必要なことは、世界中で自然破壊を押し進めながら繰り広げられている資本家同士の馬鹿げた競争を止めさせ、そこに投入される膨大な資本を、それを生みだした労働者階級のための社会共通財としてとりもどすための、国境を越えた労働者階級の連帯であり、その上に立って、新たな世界経済のシステムを目指すグローバル政党の出現なのではないだろうか?

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コメント

野口さん、遅ればせながら選挙結果についての私の感想をコメント書きさせて貰います。

予想通りの結果でしたが、さて、自公政権は結局のところ多数の支持の下、洞窟の闇の中に立たされ、戻ることもできず、先に進む他なくなりました。多数の期待と云うよりもどうするんだという実験的興味以外のなにものでもない支持のようです。いはば洞窟の蓋の役割をしているのです。

まずはTPP。なんと米資本の勝手という内容の秘密があって、守るものはその秘密であることになりました。戻れません。

原発。安全神話の再構築に成功しました。戻れません。

消費税増税。諸般の事情を考慮して9月に決断することになりました。戻れません。

集団的自衛権。政府権限で解釈改定法式です。中東の戦争に出場する。対テロ戦争にも出場する。そのための軍備予算もつける。戻れません。

年金の持続性を高める。低額化、支給年齢の高年齢化、負担増を明確化する。戻れません。

福祉。老々介護、自立支援、年寄り・児童・女性等々の定義を後世の歴史家に任せることに。戻れません。

企業減税。 さらなる減税案。戻れません。

移民受け入れ。 海外の安い労働力の利用。 戻れません。

規制排除。 本当は憲法を排除したいのですが、そうもできませんので、文句を云う人々の口とかペンとかワープロを規制するたとになりました。戻れません。

選挙制度。 現状維持ないしは、多少の増減のみ。戻れません。

普天間。県内移転。戻れません。

結局、洞窟の中から戻れないことが明白になりました。そしてついに支持した人々も居なくなり、入り口が壊れ果て、瓦礫を退けて、住民が救助に向かうことになりました。でも実際のところ多数の住民は餓死して、残った者も高齢で、若者は海外の戦場にいて、どうにもなりません。いずれ洞窟の中に、無駄な労働と云う資本の歴史的な固まりが発見される見通しです。

投稿: mizz | 2013年7月24日 (水) 13時09分

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