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2013年9月16日 (月)

消費税増税に関する誤った認識

 政府発表のGDPがプラスに転じ、円安と株価高騰が続き、「異次元の金融緩和」の効果とされる「好材料」がそろってきたうえ、2020年オリンピックの東京開催がきまり、「いまでしょ!」とばかりに、安倍政権は来年から消費税を8%に上げる決心を固めたようだ。

 このところ、TVや新聞で一般庶民代表や金融機関、経済評論家、経済再生大臣などを交えた消費税に関する討論会がある。そして、その大半の意見は、国の借金である1000兆円もの発行額の国債を国が保証できなければ、国債の信用が落ち、結局は国民一人当たり800万円もの負債を背負わされ、日本経済全体が大打撃を受けるという認識や、高齢社会での年金制度などを含む社会保障や健康保険などでの赤字に対する国の負担を減らすためにも消費税増税は仕方ない、という意見である。これがいわゆる「常識ある人々」による消費税観のようだ。
 しかし、よく考えてみれば、国家予算となっている社会的富は、その100%がもともと社会を支えるために働いてきた労働者が生みだしたものである(これについてはこれまで何度もこのブログで書いてきた)。資本家企業では、労働者を雇用し、資本家企業が所有する生産手段を使わせて、社会的に必要なモノを作らせたり、その流通販売などを支える仕事に従事させている。
 雇用された労働者の賃金は、労働者自身が生みだした富の一部を買い戻す(生活費として)ために用いられるのであって、資本家の所得とはまったく別のものである。労働者の賃金は生きた労働力を維持するため労働者に前貸しされた資本の一部なのである。
 資本家的企業の経営者は、労働者によって生みだされた富の大半を不当にも私物化(資本家の意図でどうにでもできるという意味で)し、別の企業の労働者によって作られた生産手段の購入と、富の源泉となる生きた労働力の購入に当てるとともに、残りの大半を新たな利益獲得のための投資や投機に当てるのである。
 労働者階級が生みだした富は、本来ならそれぞれの労働の場で社会を支えている労働者が人間として生活し、人生の途中で必ず遭遇する病気や災害に備えるための基金や、高齢になって働けなくなってからの生活を保障する基金に当てるべき「社会共通ファンド」部分なのである。
 資本家企業は私物化したそれらの社会共通ファンドにあたる富をもって「生産の合理化」を行いながら、不要となった労働者をリストラし、より安い労働力をもとめて海外に進出し、企業買収などによって経営を大規模化することで剰余価値の量を増やし、その蓄積された「だぶついた資本」をほとんどすべて次の利益獲得のために投資や投機に回しているのである。
 しかし、資本主義社会では「自由競争」が前提となっているために、市場での競争に勝つことが最上位のミッションとなっている。競争に勝ち続け、利益を得続けなければ、資本家企業は倒産の危機に立たされ労働者も職を失う、という理由で当然のようにこれらの社会的義務を果たさないばかりか、当然のように法人税をも軽減させようとしているのである。
 それにも拘わらず、資本家代表政府は、こうした社会共通ファンドを労働者から出費させ、しかもそれだけでは賄いきれなくなって国債を繰り返し発行して借金によって賄ってきたのである。その結果、いまや世界一の借金政府というみじめな姿となったのである。
 有限な地球資源を食いつぶし、自然環境を破壊し、労働者の生活を破壊しているこのバカげた資本家同士の無政府的なグローバル市場競争に歯止めをかけ、そこにうごめいている莫大な過剰流動資本を、世界中の労働者の社会共通ファンドに回させるべきである。
 イギリスやドイツなどのいわゆる先進資本主義国で消費税が20%位にもなっている(消費税率はそれぞれの国の労働者の生活水準と社会共通経費などとのバランスを考えないと評価できないし、そもそも消費税そのものが不当な税である)のを横目でチラチラ見ながら、日本の労働者はもっと消費税を払って、政府に協力すべきだという議論は根本的に間違っていると言わざるを得ない。こういうことを言う連中は、資本家的視点からしか問題が見えていないのである。労働者はそんなインチキの「常識」にだまされてはいけない。

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