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2013年3月31日 - 2013年4月6日

2013年4月 4日 (木)

mizzさんのメルマガより

 たびたびこのブログにコメントしていただいているmizzさんが発行するメルマガのうち、サミュエル・ムーア他による資本論英語版からの新和訳と3次元グラフによる社会統計の解説はおもしろい。ドイツ語版からの向坂訳岩波書店版の資本論しか読んだことのない私には、新鮮な印象を得ることが多い。そのメルマガではいま英語版資本論第1巻第15章「機械と近代工業」(ドイツ語版向坂訳では第13章「機械装置と大工業」)第9節「工場法・その衛生と教育条項」が進行中である。

 英語版第15章は、マルクスが第1章の商品と貨幣の論理の分析から価値論を展開し、資本発生の論理をあきらかにしたのち、資本の存立条件となっている相対的剰余価値の生産に関する現状分析を行っている部分である。そこでは当時のイギリスにおける労働者の悲惨な実情と、その矛盾に対する政府の補完策として実施されている工場法に関する記述が続いている。その中の衛生条項についてマルクスはこう述べている(mizzさん訳)「法文の単語が、資本家が簡単にその法の網をくぐり抜けうるものであることは言わずもがなであるが、その点を脇に置いたとしても、衛生条項は極めて貧弱なものである。
 事実、壁を白く塗ることとか、ある物を清潔にしておくことか、換気とか、危険な機械からの保護といった項目に限られる。労働者の手足を保護するための装備に関する僅かな支出を工場主に課している条例に対しての彼等の気が狂ったような反対、自由商売原理主義への幼稚で際立って狭い見解からの反対、 ( 訳者注:.英文はこうなっている。an opposition that throws a fresh and glaring light on the Free-trade dogma, 向坂訳は、「自由貿易論の信条は、ここにも輝かしく現れている。」 我ながら訳もまた楽しである。) そこには、利害の衝突が伴う社会では、他でもなく、各個人はただ自分自身の個人的利益を追究することによってのみ必然的に共通の福得を増大する! という論法からの反対である。」
 mizzさんはこのあと、先日報じられたある印刷会社の労働者たちが胆管ガンを発症した事実を例にして現在でもこの状況があまり変わっていないことを指摘している。
 日本にも「労働基準法」という重要な法律があるにもかかわらず、これはいまでは「経済の成長」と「国際競争力の維持」の犠牲となり、完全に骨抜にされ、増大化する非正規雇用労働者においてはほとんどこの法律は適用されていない。「各個人はただ自分自身の個人的利益を追究することによってのみ必然的に共通の福得を増大する」という資本の論理のもとでは、自分自身の個人的利益を追究する資本家たちがどれほど多くの労働者たちの犠牲を前提にしているかなど、どうでもいいことなのだから。
 もうひとつ、mizzさんの三次元グラフによる統計分析では、このところずっと「犯罪とはなにか?」というシリーズを連載している。公表された統計データから見えてくることをmizzさんは公式見解とはまったく違う視点で追い続けている。今回は「出資法等の違反者に関するデータが出ている。mizzさんによれば「出資法といえば、金を貸して利息を取るという資本主義的な自由商売の中でも最も明確なる姑息な商売を規制するというか、その商売を成り立たせる法律と云うか悪どいことで特に有名です。街金とか、サラ金とか、消費者金融とか、闇金とかのご商売をする場合、金利の制限を決めたというか適当に取れる範囲を定めたものが出資法で、その大きな範囲を越えて金利を取る場合が出資法違反となる分けです。」これを見ると、2002年頃から、急激に出資法違反が増加し、そのまま現在に至っている。
 まさに人からせしめたカネをひとに貸して利ざやを得るという、もっとも「非生産的職業」(資本家に言わせれば、お金のない人でも起業できるのはこうした金貸し業のおかげだと主張するに違いないが)がいまの社会では公認の職業であり、株式投資などとともにもっとも効率よくカネを儲ける商売なのである。mizzさんはいう「金を貸す業を行うためには、それなりの元金を持っているか、それなりの金利で借りるすべを確保できているか でなければ始まりません。何の制約もなしに一定期間金を貸すには、それを回収できる機能を共に持っていなければ始まりません。皆さんが金貸し業に乗り出さないのはこれらの条件が揃わないためです。条件が揃えば、これほどおいしいご商売はないでしょう。大銀行は街金に貸すだけで、さらにいい商売ができていると分かるでしょう。借りる人がいなければこの商売は存在不能です。借りる人はどうして登場するのでしょうか。 」
 これらを見てくると、現在の資本主義社会を支えている法律がいかに資本家たちに都合良くできており、しかもそこにはいかに膨大な量の労働者階級の犠牲が覆い隠されているかが見えてくるのである。

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