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2013年6月30日 - 2013年7月6日

2013年7月 5日 (金)

参院選をこう捉える

 昨日、参院選が公示され、各党からそれに向けてのメッセージが出された。そこで各党の政策でもっとも基本となる経済政策についてを見てみよう。

 安倍自民党は、資本家代表政府として、当然のことながら、「アベノミクス」による資本家企業の成長こそが、そこに雇用されている労働者やその周辺で仕事にありつけている人々の生活向上の鍵であるという「トリックルダウン」(おこぼれ頂戴)の思想を中心として、いわば「日本株式会社」の国際競争力を付け、「国益」をまもるために強い軍隊を持ち、「毅然とした態度」で競争相手に立ち向かうというのが基本姿勢である。そのために法人税を大幅減税し、借金で首が回らなくなった社会福祉や国政を消費税など、労働者への増税でなんとか賄うという方向だ。これはまさに資本家的リアリズムである。
 それに対して、民主、社民、みどりの風などいわゆる「リベラル派」各党は、生活者への手当を厚くし、生活を安定させることこそ「成長」の鍵だと主張する。しかし、自民党の政策に比べれば、経済的実行力や具体的構想が伴わず、多分に情緒的・雰囲気的な内容である。それもそのはず、資本主義体制の組織全体を基盤とし、資本家や政府官僚たちの利害を代表する自民党政権のリアリズムに比べれば、「リベラル派」の情緒的主張は要するに資本家から労働者への「トリックルダウン」の配分を増やして欲しいという主張でしかなく、「砂糖菓子」のように甘く崩れやすい。3年前、自民党政権の行き詰まりと矛盾の噴出に失望した人々の期待を担って政権交代した民主党政権のその後の惨憺たる「マニフェスト」実行不能の有様を見てもそれは明らかである。
 今回の選挙に臨む各党の主張を見ても、「経済成長」がなければ国の借金も返せず人々の生活も良くならないという暗黙の了解があって、その意味では自民党と同じ穴のムジナである。公明党などはその主張はむしろ民主党に近く、どう見ても自民と連立できる政策内容でないにもかかわらず、この「成長神話」という基本的な一点でつながっており、「政権与党」のカンバンが欲しいがために自民と手を組んでいるのだろう。日本維新の会などは、自民政権の基本的方針をよりカゲキな表現でリピートしているに過ぎない。
 その中で、mizzさんからのコメントにもあったように共産党だけは少し違う。みずから「自共対立」と言っているごとく、基本的に労働者の立場で政策を考えている。大企業に集中している富を労働者側への配分に回し、雇用を増やさせる。そして原発ゼロや改憲反対は、資本家たちにとっては「やばい」主張であろう。
 しかし、私は共産党にこう言いたい。少なくともマルクスの思想を標榜する政党ならば、「国民政党」の枠から脱し、はっきり階級政党であることを打ち出して欲しい。「国民」という概念で経済や政治を考えることは、最初から資本家的イデオロギーの枠組みでものを考えるということだ。「国民」という概念は資本家と労働者という基本的に対立する2大階級の存在を見えなくするばかりでなく、「国益」とかナショナリズムといった誤った国家思想につながる。
 そのため、共産党は資本家代表政府に対して、それに対抗する基本的な立場があいまいである。だから共産党はいつも資本家代表政府への「批判勢力」でしかなく、政権を担うことができないのだ。
 共産党に、何よりもまず認識してほしいことは、いま安い労働力をもとめて国境を越えて世界中の労働者を搾取し続けているグローバル資本に対して、各国の労働者階級が国境の内側に閉じ込められ、支配階級の扇動で国境を挟んで「国民」として互いに対立させられているという事実だ。そのため、国際市場でのまったく無意味で有害な競争に追いまくられ、失業や過酷な低賃金労働や雇用の不安定な生活を強いられている世界中の労働者階級を、国際的な視野から連帯させ、このグローバル資本の強大な支配力に対抗させる勢力とさせることが必要だと思う。
 資本家同士の有害で無意味な無政府的競争(資本増大への無政府的な競争によって無駄な消費が増大しそのため資源は枯渇し、地球環境は日に日に悪化している)をやめさせ、いま世界中で、一握りの資本家たちを太らせ、あまった莫大なカネを新たな投資につぎ込むというかたちで世界を駆け巡っている過剰流動資本を、世界中で働く労働者の手に取り戻すことができれば、「国家の借金」も社会福祉財源もすべて解決することができる。なぜなら、それらの莫大な富はもともと労働者たちが生みだしたものなのだから、これはまさに正義なのである。
 今回の参院選ではまだ人々の「アベノミクス」への幻想が消えていないので、多分自公連合が勝利するだろうが、今後の世界のことを視野に入れて、ぜひ共産党は階級政党に脱皮し、資本家からのおこぼれに期待する「リベラル派」的政党から、一線を画し、働く人々が主役となる社会を目指し、労働者階級の国際的連帯に向けて再出発して欲しいと思う。

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2013年7月 3日 (水)

安倍「独裁」政権成立後の社会を予測する

 7月21日に迫った参院選で自公連合が圧勝すれば、衆院・参院とも自公連合が制覇することになり、いわば「安倍独裁政権」が成立する。

 そこで何が始まるかを考えてみよう。まず来年からの消費税増税は必須であろう。そしてすでに始まっているが、原発再稼働への尻押し、そしてTPPなど自由貿易戦争への突入、さらには、ナショナリズム前面化による中国との軍事的対立の激化とそれを利用した世論の操作にもとづく憲法改悪(自衛隊の国軍化)である。
 グローバル資本間の国際競争がますます激化する中、台頭する中国などの新興資本主義国との競争に勝つためという名目で、経済成長が絶対視され、そのために企業の生産力を上げさせる必要があり、原発停止による化石燃料にたよるエネルギーが円安で高く付くために生じる赤字を解消するには電気料金を大幅値上げするしかなく、それを緩和するためには原発再稼働が必須であるという世論を醸成させ、それを推進する。こうして、反原発運動を「偏った思想」と烙印することで反原発運動を内部から崩壊させる一方で、同時に、社会保障や福祉に必要な予算を資本家からではなく、働く人々の賃金からかすめ取る消費税によって補おうとする政策をも容認させようというのだ。
 しかし、安倍政権の円札垂れ流しインフレ政策によって株価が上がり、金融市場での金回りがよくなったために、円安が進み、ほとんどを輸入に頼っている日本の生活消費財の価格が上がり、働く人々は、ただでさえ以前より生活が苦しくなっている。収入がふえたのはアベノミクス思惑で値上がりした株で大もうけした投資家と、円高輸出で収入が大幅に増えた大資本の経営者やそのおこぼれを頂戴する従業員たちだけである。その上彼らは法人税減税の恩恵までうけ、他方、大多数の働く人々は生活が苦しくなる中でさらに消費税に追い打ちを掛けられる。
 こうしていまの日本では確実に社会格差が増大している。失業率が低下したなどといっている中で、生活保護受給者数は増加し、正規雇用者は減少し、不安定な非正規雇用者の比率が増え、「買い手市場」の労働市場を背景に、雇用された人たちへの労働の過酷化が当然のように容認され、労働者を護る法的措置は骨抜きにされ、それもこれも経済成長のためということで我慢を強いられる。働く人々は、「アベノミクス」で経済が成長し、われわれの賃金も上がって、生活が楽になるために一時の痛みに耐えねばならないと信じ込まされる。
 そして「(古き良き?)ニッポンを取り戻す」というかけ声の前で、人々は、ナショナリズムを吹き込まれ、憲法改悪を許容する雰囲気にさせられていく。
 そして政権担当者はこういうだろう「われわれは大多数の国民の付託をうけたのであって、それに応えねばならないのだ」と。
 さあ、それでもあなたは、7月21日に自民党や公明党に投票しますか?

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