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2016年2月20日 (土)

閑話休題:アメリカ大統領選に見る商品化社会の運命

アメリカの大統領選挙での各党による候補者選びが盛り上がっている。例の「お笑い芸人」の才能を持つ典型的資本家トランプ氏が共和党でトップ人気で、民主党では本命のクリントン女史に対抗する「社会民主主義者」サンダース氏が人気上昇中だ。その理由は「クリントンにはもう飽きたから」らしい。

この「大統領候補者市場」での競争は、投票者という「購買者」への宣伝広告合戦の様子を呈しており、どの「候補者商品」が一番売れるかが掛かっている。だから各候補は自分の主義主張を通すことよりも競争相手に勝つことしか考えていない。過激な言動で相手を攻撃し、一撃を与えれば得点が増える。投票者は「ファン」化して、まるでボクシングでの応援合戦だ。当然各候補者たちはいわゆるポピュリズムに傾き、大衆迎合的になる。大衆側もそれをいいことに盛り上がる。
商品市場では「売れる商品」を目指して一方で売れる競争商品の要素を採り入れながら、他方では競争相手の中での「差別化」を強調して目立つことに走る。アメリカ大統領選もこの商品市場の法則がそのまま当てはまる。
人々が、こうして事態を深く考え、問題の真の解決に向かうのではなく目先の人気や儲けに走るようになるのが資本主義社会の特徴だ。こうして人類の築き上げてきた思想や哲学は「めんどうくさい」「むずかしい」などのコトバで一蹴され、「おもしろい」「かっこいい」がすべてを支配するようになる。当然人々の思想は荒廃し、深く考えることなどせず目先の刺激だけが生きる意味となっていく。いま世の中ではニヒリズムが深く静かに浸透している。そしてその補完として宗教が新たな形で力を得てきているが、これは虚無を忘れさせるだけの麻薬の様なものであろう。問題の真の解決は宗教からは決してもたらされない。
かつてのローマ帝国が滅びた状況に似た状況がいま展開されている。「パックス・アメリカ—ナ」は事実上崩壊し、世界はそれぞれの利害をむき出しにした争いと憎しみの連鎖が渦巻き始めた。しかしこれは「パックス・アメリカ—ナ」が東西冷戦という状況での圧倒的に強大な軍事力と資本力のアメリカが「世界の警察官」として支配する世界だったことを考えれば、やがてそれが当然行き着くべき姿だったのかもしれない。
 やがて中世のような戦乱と宗教が支配する「暗黒時代」が来るのか、そうでなく未来を自分たちの手で築き上げて行ける人々が育って行くのか、いまは歴史の重大な分岐点のような気がする。

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コメント

野口さん、今晩は。
米大統領選挙戦を見れば、容易に分かるように、多額の費用を投入しての、二大政党のプロパガンダ戦、ワンパターン主張とネガティブcampaign合戦のごった煮以外のなにものでもありません。この渦の中では、誘導、過激化、卑猥化以外の立場は維持することも難しいでしょう。

さて、日本のそれも、大した違いはありません。下のデータは、10年も前の2004参院戦での各党のプロパガンダ費用のデータです。[単位は億円]

2004参院選挙
Cost for propaganda [10 million yen]
s-paper g-paper TV total
自民 0.33 5.47 10.36 25
民主 0.56 4.29 8.37 20
公明 0.03 1.38 4.94 10
共産 0.07 0.47 2.53 5
社民 0.03 0.12 0.18 1

出典、洗脳選挙 三浦博史 光文社 2005 1月20日発行 ISBN4-334-93351-3 p135-141
注: sはスボーツ紙・夕刊紙
gは 一般紙 の意味です。
totalは、これらのほかの支出を含みます。

つまり、自民25億円を投入、民主20億円を投入して、広告を出稿、大手新聞やら、TV局やらにそれなりのおいしい商売をさせて、(出稿先を選択して)いるわけです。

逆に言えば、これが出来なくては、とんでも民主主義すらも成り立たないと言うわけです。

もっと逆に言えば、小さな集会を多数形成してこその小さな活動以外に抵抗の手段がないと言うことです。こうした極小地域活動こそ、我等が階級闘争 class warfare の基盤以外のなにものでもないと言うことです。

投稿: mizz | 2016年3月 1日 (火) 12時03分

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