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2016年7月22日 (金)

トランプがアメリカ大統領になったなら

 トランプがアメリカ共和党大統領候補に指名され、受諾演説を行った。テロからアメリカを護るため国境に壁を作り、自由貿易主義を否定してアメリカの産業を護り、「偉大なアメリカを取り戻す!」。何かどこかで聞いたようなキャッチフレーズである。

しかし「偉大なアメリカを取り戻す」という主張は、自国の「国益」を第一と考え、アメリカが世界資本主義のリーダーシップであり続け、「国際社会」の主役として負わなければならない犠牲を返上するということに他ならないだろう。日本には「核の傘」に対する相応な負担金を強い、ひいては日本は日本自身で護るべきだと言いたいようだ。
 しかしこれには安倍首相も内心「その通り」と頷くものがあるだろう。アメリカの「核の傘」に頼れなくなれば、自国で周辺国からの核の脅威に対応し「抑止力」を持たねばならなくなるというのが彼の本心なのだろうから。これで日本独自の軍隊を持ち、ひいては核武装も展望する必要があり、そのために改憲が必然となる、と安倍首相は考えているだろう。そして「(強い)ニッポンを取り戻す!」と。これに「護憲派」は勝てるのか?私はいまのままでは勝てないと思う。
 ヨーロッパではイギリスがEUから撤退することになった。イギリス国民の過半数が、EUの束縛から離れ「偉大な大英帝国を取り戻すそう!」と考えているのかも知れない。しかしそうした中で中国、ロシアなど、欧米のWestern Capitalistsと一線を画しているEastern Capitalistsの国々がこの機に乗じて世界での彼らの勢力を強めようとするだろう。
 こうした「自国主義」はつねに戦争への危機を孕む近代国民国家特有のイデオロギーであるが、それに対して資本主義経済は国境を越えてグローバル化しないとやっていけなくなっている。この矛盾がいよいよ隠しきれなくなってきた。資本主義世界もいよいよ末期的段階に入ったと見てよいだろう。
 資本のグローバル化とは実は国境を越えた労働の搾取形態に他ならず、資本はあくまで資本家による富の私有化を前提としているため、資本家の共同体が「国民国家」という形で表現されざるを得ないのに対して、その資本を生みだしている労働者の労働の搾取は日々国境を越えて行われており、国際的には本質的に同じ立場に立たされている労働者階級は、それぞれの国の支配階級から「国民」と呼ばれナショナリズムで洗脳されているにも拘わらず、本質的に国境を越えたインターナショナルな連帯関係を内包しているのである。
 グローバル資本も戦争による大量破壊と大量殺人は結局自分たちにも不利となるだろうことを⒉回の世界大戦を通じて知ったいま、これから突入するであろう「戦争」はこれまでより一層陰湿で分かりにくいものなりそうだ。トランプ大統領やメイ首相、そして分裂の危機にあるEU主要国やロシア、中国、はこれをどう闘おうとしているのか、そして安倍首相はどう「ニッポンを取り戻そう」とするのか?
世界中の労働者階級は予断を許せない。そしてどんな場合でも、同じ立場に置かれた隣国の労働者たちと国境を挟んで互いに殺し合いをするようなことがあっては決してならないだろう。

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