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2016年8月28日 (日)

「日本株式会社安倍CEO」のアフリカ市場獲得への旅

 安倍首相が日本の企業経営者たちと経産省などの役人たちを連れて大軍団でアフリカの市場獲得を目指して出陣した。ナイロビでアフリカ各国とのTICAD会議に臨み、それまで中国が急進撃していたアフリカ市場に殴り込みをかけた。援助総額は3兆円で金持ち中国の半分であるが「日本の技術力をもってアフリカのインフラ整備や経済成長を助けたい」という名目で打って出たのである。

 要は21世紀型の植民地獲得競争である。19世紀の帝国主義時代と見た目は異なるが、中身はあまり変わっていない。かつてヨーロッパの列強が独占資本家たちの欲望に駆られて軍事力を背景にアフリカの植民地獲得競争をくりひろげたあと、二つの世界大戦で数千万の命を失い、東西冷戦での代理戦争でも悲惨な結果をあちこちにばらまきながら、結局植民地の人々を圧政のもとに置くことができなくなり、アフリカ諸国は自立の流れに乗り、そして21世紀には混乱の時代に入っていった。
いまそのヨーロッパ列強に蹴散らされた跡を新興資本主義国の「実力者」中国が囲い込もうとしているのを日本株式会社の安倍CEOは黙って見ていられなかった。
これは軍隊なき21世紀型植民地獲得競争であり、インフラ・経済援助の名の下にアフリカ人の生活を資本主義化させ、そこで安い労働力と広大な市場を手に入れることで、莫大な利益を獲得しようというのだ。 いわく「最後のフロンティア」、つまり最後の植民地である。
 おそらく数十年後にはアフリカ各国の大部分の人々の生活は資本主義化され、一方で一握りの富裕な支配層が確立され、他方で賃労働者としてしか生きることのできない人々が急増し、必然的にいまよりもっとひどい貧富の差が生じ、莫大な数の貧困層が生まれるであろう。「経済大国」の支配層や中間層はこの人達の犠牲の上に富裕な生活を維持していくことができるのであり、こうして「経済大国」からのアフリカへの「支援」はいつまでたっても終わらない。
 中国と日本の支配層が繰り広げる「競争」はまかり間違えばシーレーンの確保などを巡って本当の戦争に陥ることにもなりかねない。少なくとも、両国の労働者階級はその支配層たちの馬鹿げた競争や戦争に巻き込まれることなく、互いに立場の同じ被支配階級であることを思い起こし、歴史的背景は異なるがアフリカの人々もまた本質的には同じ立場にあることを思い起こして欲しいものだ。
 必要なのは支配層による上から目線の「支援」ではなく、ともに労働を通じてグローバルな意味での社会的富の正当なる生成者でありながら、それを搾取されているという意味で共通の立場にあるという、「連帯」ではないだろうか。

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