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2016年8月16日 (火)

政府閣僚の靖国神社参拝をめぐって

 今年も外交的配慮からか安倍首相は靖国参拝を見合わせ「玉串料」で済ませた。しかし、戦没者追悼式の場では、「反省」という意味の言葉は外した。そして高市総務大臣と丸川五輪大臣が靖国を参拝した。参拝後のインタビューで両大臣とも「国策の犠牲になり亡くなられた方々への尊崇の念で参拝した」と応えていた。丸川大臣はそれに加えて「この国のやり方なのであって諸外国がとやかく言う問題ではない」と付け加えていた。そして自衛隊海外派遣部隊を励ますためにジブチに出張中の稲田防衛大臣は、現地で「今の平和な日本は、故郷や国を護るために出撃していった多くの方々の命の積み重ねの上にある」と述べた。

これらを見てはっきりしていることは、「国策」や「故郷や国を護るため」という言葉によって当時の国や軍の指導部が「大東亜統一」の国策のもとに愛国心を煽って国民を駆り立てて戦場に送り出してきたという最も重大で核心的事実は消し去られているということだ。そして日本人と共にあれほど多くの中国、フィリピン、アメリカなどの人々の命を奪い、当時日本に併合されていた韓国や台湾の人々を戦場に駆り出し命を落とさせていたことについては、「国を護るため」という言葉によってすべて消し去られ何も触れられていないのである。
 しかも靖国にはそうした戦争責任を負うもっとも重要な人物たちも「合祀」されており、戦争を引き起こした連中とそれによって命を失った人々がともに「英霊」として祀られているのである。これを「この国のやり方なのであって諸外国がとやかく言う問題ではない」で片付けられると思っているのだろうか? いまの天皇でさえこれに「深い反省」を表明しているというのに。
 しかし、一方でこの期に、とばかりに竹島に政府閣僚が上陸して「反日」感情を煽っている韓国の現政権や、南シナ海や東シナ海などで軍事力によって所属不明だった地域を事実上占領していこうとする中国現政権のやり方も安倍政権と同様に狂っているとしか言いようがない。
尖閣諸島に関しては、「所属不明」が事実であろうし、それを何等の交渉もなしに「国有化」してしまい、「領土上の問題は存在しない」としてしまった 前民主党政権も問題である。中国も韓国も日本もこうした「領土問題」への無益で危険な「国策」によって憎悪を生みだし、それによって国内の「民意」を愛国的にまとめていこうとするやり方は戦争の原因への深慮や反省がまったくないことの証明であろう。
こうした「国家指導者」たちの思想こそ、いくら「不戦の決意」を表明しても戦争を再び生みだす大きな要因を抱えているのである。

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