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2016年9月4日 - 2016年9月10日

2016年9月 8日 (木)

最近の国際ニュースから思うこと

 中国の杭州で G20が開催され、世界主要20カ国の首脳が集まった。しかしアメリカと日本が南シナ海での中国進出に対する国際仲裁裁判所の裁定結果を尊重しろと中国に突きつけたにも拘わらず中国はこれを無視し、大会全体としては何も具体的成果はなかったように見える。その後の各国間首脳会議でも結局アメリカの主張に同意する国が多かったにも拘わらず、中国には「モノが言えない」国が増えているという状況だった。

 フィリピンのドゥテルテ大統領は中国に国際裁定結果を守るべきだというフィリピンの意向を示しつつも麻薬犯を警察官が大量に殺害した事件に関してオバマ大統領がクレームを付けたことに対して、オバマに「オレはオマエの奴隷ではない」と悪罵を投げつけ、予定されていたアメリカとの首脳会談はアメリカ側から破棄された。しかしその裏でドゥテルテは習近平と握手を交わしているのである。中国にとってはポイントを稼いだ感じであろう。
 このG20のさなかに北朝鮮がミサイルを3発日本海に向けて発射した。核兵器開発に関連したこうした北朝鮮の行動を中国を含めたG20参加国が全体としては非難したが、その中で日本と韓国以外の国々、特に中国の反応は鈍いものだったようだ。
安倍首相はこうした状況の中でアメリカとは親密な関係であることを強調しつつも、他方でウクライナ問題などでアメリカと対立するロシアのプーチン大統領と仲良しになろうとしている。この際、長年懸案だった北方領土問題を一挙に片付けて、ロシアとの平和条約を締結し経済的協力関係を強化しようというのである。
 しかしプーチンはさらに老獪であって、一方で北方領土問題の解決に意欲を見せつつ、他方で、中国とも親密な関係を保ち、もし日本がロシアの示す領土問題解決案(ロシアが北方領土を返還するなどということはあり得ないだろう)に拒否反応を示せば、今度は中国と手を結んで日本を極東で孤立化させようという狙いのようだ。ウクライナ問題でアメリカや西欧諸国から受けた経済制裁のリベンジとして極東での勢力拡大を図るプーチンにしっぽを振る安倍首相の姿が何となく哀れに見えてくる。
 それに引き換え、習近平の「大中華帝国皇帝」ぶりは迫力がある。世界第2の経済大国となりお金持ちになった中国は周辺の国々をカネの力と経済力であたかも属国のように従わせ、軍事力をどんどん増強させ、勝手に海洋領土を拡張し、市場と労働力の獲得のためアフリカにまで「植民地」拡大を図ろうとしている。
 安倍首相は最近衰えが目立つようになって来たアメリカだけを頼りにしても危ないので「自主憲法」を制定し国軍をもって軍事大国を目指し、あわよくばロシアをも味方に組み入れて中国パワーに対抗しようというのだろう。しかし中国にしてもロシアにしても相手は1枚も2枚も上手である。やがて「経済成長」だけが頼みの日本国は韓国と同様、アメリカと中国との板挟みになってその上ロシアに翻弄され苦労することになるだろう。
 二つの大戦の苦い経験からヨーロッパ統合を目指したEUも舵取りが効かなくなってきており、次期アメリカ大統領はクリントンもトランプもどちらがなってもいまの状況を解決出来ないだろうし、トルコやフィリピンの大統領の様な過激で単純な頭脳構造しか持たない人物が国を牛耳ることになれば、この先ますます世界はキナ臭くなるだろう。勝手な国家指導者たちの馬鹿げたせめぎ合いにそれらの国の人々は決して巻き込まれるべきではない。
過剰資本の処理に苦慮している中国も過剰資本の処理を過剰消費で賄おうとしている欧米や日本でも市場が支配するグローバルな生産と消費の流れがまったくおかしくなっている。一方で労働者の生活は貧しくなるばかり、他方では富裕層の個人消費の増大だけが経済を支える様相になってくると同時に、資本家達が自ら生みだした環境破壊やエネルギーの過剰消費がもたらす地球温暖化や異常気象といった自然の側からのしっぺ返しをすべての人々が受けるはめになり、人口過剰による食糧難、流行病の蔓延などが襲ってくる中で、資本家主義国家間の利権争いのための戦争や殺戮が繰り広げられることになるかもしれない。
中国のような特殊な発展形態をも含む資本主義社会全体がいよいよ終末に近づいているように見える。それに取って代わるべき新たな社会への展望がいまこそ必要なのであろうが、それは未だ霧の中である。

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