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2016年2月14日 - 2016年2月20日

2016年2月20日 (土)

閑話休題:アメリカ大統領選に見る商品化社会の運命

アメリカの大統領選挙での各党による候補者選びが盛り上がっている。例の「お笑い芸人」の才能を持つ典型的資本家トランプ氏が共和党でトップ人気で、民主党では本命のクリントン女史に対抗する「社会民主主義者」サンダース氏が人気上昇中だ。その理由は「クリントンにはもう飽きたから」らしい。

この「大統領候補者市場」での競争は、投票者という「購買者」への宣伝広告合戦の様子を呈しており、どの「候補者商品」が一番売れるかが掛かっている。だから各候補は自分の主義主張を通すことよりも競争相手に勝つことしか考えていない。過激な言動で相手を攻撃し、一撃を与えれば得点が増える。投票者は「ファン」化して、まるでボクシングでの応援合戦だ。当然各候補者たちはいわゆるポピュリズムに傾き、大衆迎合的になる。大衆側もそれをいいことに盛り上がる。
商品市場では「売れる商品」を目指して一方で売れる競争商品の要素を採り入れながら、他方では競争相手の中での「差別化」を強調して目立つことに走る。アメリカ大統領選もこの商品市場の法則がそのまま当てはまる。
人々が、こうして事態を深く考え、問題の真の解決に向かうのではなく目先の人気や儲けに走るようになるのが資本主義社会の特徴だ。こうして人類の築き上げてきた思想や哲学は「めんどうくさい」「むずかしい」などのコトバで一蹴され、「おもしろい」「かっこいい」がすべてを支配するようになる。当然人々の思想は荒廃し、深く考えることなどせず目先の刺激だけが生きる意味となっていく。いま世の中ではニヒリズムが深く静かに浸透している。そしてその補完として宗教が新たな形で力を得てきているが、これは虚無を忘れさせるだけの麻薬の様なものであろう。問題の真の解決は宗教からは決してもたらされない。
かつてのローマ帝国が滅びた状況に似た状況がいま展開されている。「パックス・アメリカ—ナ」は事実上崩壊し、世界はそれぞれの利害をむき出しにした争いと憎しみの連鎖が渦巻き始めた。しかしこれは「パックス・アメリカ—ナ」が東西冷戦という状況での圧倒的に強大な軍事力と資本力のアメリカが「世界の警察官」として支配する世界だったことを考えれば、やがてそれが当然行き着くべき姿だったのかもしれない。
 やがて中世のような戦乱と宗教が支配する「暗黒時代」が来るのか、そうでなく未来を自分たちの手で築き上げて行ける人々が育って行くのか、いまは歴史の重大な分岐点のような気がする。

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