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2017年4月30日 (日)

ラストベルトの労働者 その後

 昨夜9時からのNHK-BSスペシャルでアメリカのラストベルトの労働者の今を放映していた。

 ラストベルト地域で生き残っていた企業の中で手堅いある航空機部品メーカーでは市場での競争が厳しくなり、メキシコに生産拠点を移すと発表した。それに反対する労働者たちは大統領選でトランプに期待を託し、トランプ当選に大きな役割を果たした。そこで労働者側は大統領に当選したトランプに直訴して現状を訴えたが、結局待てど暮らせどトランプ政権は彼らを救うための有効な手立てを何ら講じることはなかった。シリア内戦や北朝鮮問題で「力による平和」をスローガンに緊張関係を生み出していたため、そんな「些細なこと」にかかずらっていられなかったのだろう。
  仕方なく労働者たちはストを決行して雇用の維持を訴えたがこれも結局よい結果を生まず、会社側は解雇者リストを発表した。そして6月末までにほとんどの従業員が解雇されることになったが、一部の社員はメキシコに新設される工場で新たに雇用されるメキシコ人労働者の技術指導をやらされることになった。これにはその従業員も戸惑いを感じたし、解雇される労働者たちからは怒りの声が起きた。
  しかし、結局彼らはあきらめて解雇を認める方向に流れていった。彼らの一人は「オレは何十年もこの会社のために働き、他の会社に行かないようにとまで言われがんばってきたが、情勢が変化してこうなってしまった。あれだけ支持したトランプには結局裏切られ、悔しいが仕方のないこととあきらめるしかない。しかしオレはメキシコの労働者を憎んではいない。結局彼らもこの会社で安い賃金で働かされ、気の毒だと思う」
 私は彼に「そうだ!メキシコの労働者も君たちと結局同じ立場なんだ!」と気持ちを伝えたかった。
 そしてもう一つの例。同じくメキシコに工場を移す計画を持っていたある空調機器メーカーの話である。トランプが大統領になってから、自分を支持してくれた労働者たちのために直接その経営者に交渉して、工場のメキシコ移転をやめさせたのだ。これには労働者たちは、トランプが約束通りオレたちを護ってくれた、と大喜びだった。
 ところが、その工場ではその後、メキシコ移転しない代わりに大規模な「合理化」を行い、大幅な人員整理を決行すると発表があった。結局、ラストベルトの労働者はここでもトランプに裏切られたのである。
 以上がその放映の内容である。
 折しもニュースではトランプが就任100日目の演説で「私は多くの公約を実行に移し、そのほとんどは成功した。これはアメリカにとってすばらしいことだ!」と自慢げにしゃべっていた。そして多くの狂信的な支持者たちが星条旗を振って万雷の拍手喝采を送っていた。
 これが「アメリカ・ファースト」の現実である。ラストベルトの労働者達はやがて真実に目覚める時が来るに違いない。

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