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2017年5月24日 (水)

やはり資本家トランプ大統領にだまされたアメリカ労働者階級

 昨日の朝日夕刊に掲載されていたが、アメリカのトランプ政権が2018年度(2017.10-2018.09)の予算教書の概要を明らかにした。

 これによると、年3%の経済成長を達成し、10年間で財政赤字を解消させると言っているが、その内容は、歳出削減として、低所得者向け公的医療保険(メディケイド)の適用範囲の厳格化、低所得者向けの食費支援(フードスタンプ)の見直し、などを行うことで10年間で3.6兆ドルの歳出を削減し、その一方でインフラ整備に2000億ドル(民間投資も含めれば1兆ドル)、国境警備費に26億ドル、そのうち国境の壁建設に16億ドルを提案するなど国防予算を大幅に増額しようというのだ。
 アメリカ議会はこの教書(大統領提案)について議会で討論し、実際の予算は議会で作成する。従ってこの案はそのまま議会で認められるとは思えないが、それにしても、トランプ政権の頭の中では、その選挙運動中に声高に叫ばれていた、アメリカ労働者への支援、という方向はほとんど見当たらない。多分、彼らの頭の中では、インフラなどの公共投資に労働者を雇用し、それによる恩恵があるということなのだろうが、その保障はまったく不確かであやしいものであり、むしろ低所得者支援というどのような場合にも確実に必要となる予算を削減することで、一番下層の労働者階級へしわ寄せが集中する形になるだろう。
 つまり、下層労働者や低所得で生活難に苦しむ人々はトランプに裏切られたのである。いやもっと正確にいえば、最初から彼らを切り捨てることを前提にして選挙運動に利用したのであろう。
 そしてさらに、メキシコからの大量の移民流入により職を奪われるアメリカの労働者を救済するために巨大な壁を作るという馬鹿げた政策を公約に掲げることで労働者階級の応援を獲得し(しかもこの費用をメキシコに支払わせるなどというありもしない嘘を言って)、公共事業を活性化させることで失業者をなくすと宣伝しつつ、結局はそこれによるゼネコン資本家やそこに投資して儲けようとする投資家や金融資本家に利益が集中することが目的であって、その目的のためにはおそらくはアメリカ労働者の賃金はメキシコ労働者並みとは言わないまでも低い水準に抑えられることは確実である。そしてそれらの「成長政策」が頓挫し失敗したときにはつねに労働者達がもっとも手ひどい仕打ちを受けることも確実である。
 資本家が肥え太ることによってそのおこぼれを労働者が頂戴できるというトリックルダウン図式は支配的階級である資本家達の発想であり、決して労働者自らの力で社会を動かしていくことを許すものではないことを肝に銘じておかねばならないだろう。

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