« 朝日新聞6日朝刊J.D.バンス氏のインタビュー記事をめぐって | トップページ | 現代の「既得権階級」とは何だろう?(その1:トランプと安部のイデオロギー) »

2017年6月12日 (月)

トランプ迷走の後に来るもの

 クビにされたコミー前FBI長官の証言でトランプ大統領はロシアンゲート問題で追い詰められるかと思いきや、持ち前の鉄面皮と傲岸で危機を何とか逃れそうだ。さすが辣腕の資本家だ。

 その一方でトランプがサウジ訪問で両国の蜜月関係を誇示したこともあって、日頃からサウジと仲が悪かったカタールがサウジの取り巻き諸国から断交された。これでイラン、トルコ、カタールとサウジ取り巻き諸国との対立が深まり、もしかすると一番漁夫の利を得るのは追い詰められているISISかもしれない。
 しかし、いったい北朝鮮問題はどこにいってしまったのだろうか?トランプの強行姿勢でまるで明日にでも日本海の米原子力空母と北朝鮮のミサイル基地との間で戦闘状態が始まるかのようだったが。トランプが頼みにしていた中国はやはりこれ以上北朝鮮には圧力をかけないだろうし金正恩もしばらく様子を見ながらときどきミサイルを打ち上げて手応えを見るだろう。アメリカの原子力空母はすでに日本海から撤退を始めたらしい。おそらく巨大な原子力空母を2隻も臨戦態勢に留め置くには莫大な戦費がかさみ、手を引かざるを得なくなったのだろう。
 ロシアンゲートの危機をなんとかくぐり抜けたとしても、トランプの支持率はガタ落ちである。パリ協定からの脱退で世界中の環境問題関係者や一部の資本家からさえも総スカンを食らい、オバマケアに代わる医療保険制度も頓挫し、メキシコ国境の壁建設も危ういし、イスラム諸国との出入国制限も司法の反発が強く難しくなっているし、八方ふさがりである。
「アメリカ・ファースト」で雇用が戻ってくるかと期待した労働者たちもそろそろその期待が幻想であったことに気づき始めているようだ。
 問題はこの「アメリカ・ファースト」のトランプ体制が怪しくなった後で、いったい何が起きるのかである。一方でルペン大統領が登場するかもしれないと言われたフランスではマクロンが大統領になって国会議員選挙でも与党「共和国前進」が過半数を超えドイツと手を組んでEUの維持強化を図るだろうし、イギリスはBREXITで世界を驚かせたあと、勇ましく歩き出そうとしたメイ首相の与党が国会議員選挙で予期せぬ敗退となり、過半数を割ってしまった。
 いまや「自国第一主義」は影を潜めつつあるように見えるが、本当にそうなのであろうか?
おそらくアメリカやヨーロッパの下層労働者階級は、またしても既得権階級が主導権を握ったとなれば、黙ってはいないだろう。フランスでもまずは様子見でマクロンにやらせてみて、「ダメならまたひっくり返してやるぞ」という雰囲気がある。
 アメリカではトランプが担っていた下層労働者階級の期待は裏切られつつあるが、おそらくトランプには次に打つ手はないだろう。しかしトランプが退陣した後で再び民主党や共和党の既得権階級が政権を握るなら、彼らも「再びひっくり返してやるぞ!」というだろう。
 そしてわが日本ではどうであろうか?森友・加計問題で見え見えのもみ消しを行いながら、何とか政権を維持している安倍政権は、マスコミ操作や世論操作によってその「共謀罪」成立、憲法改定に向けての強引な運営でこの状況を切り抜けるかもしれない。もう日本の有権者は「長いものには巻かれろ」的に安部の政権運営手法に完全にコントロールされているかのように見えるからだ。のど元過ぎれば何とやらで、有権者はすぐに忘れてしまうだろうとまったく馬鹿にされきっている。まったく悔しいではないか!

|

« 朝日新聞6日朝刊J.D.バンス氏のインタビュー記事をめぐって | トップページ | 現代の「既得権階級」とは何だろう?(その1:トランプと安部のイデオロギー) »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/210651/65402452

この記事へのトラックバック一覧です: トランプ迷走の後に来るもの:

« 朝日新聞6日朝刊J.D.バンス氏のインタビュー記事をめぐって | トップページ | 現代の「既得権階級」とは何だろう?(その1:トランプと安部のイデオロギー) »