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2017年6月27日 (火)

「有識者の見解」を巧みに利用する安部政権の保身作戦

 ニュースなどでも伝えられるように加計学園問題を巡る文科省元官僚や現官僚たちと首相・内閣グループとの対立は、都議会選挙での自民党の敗北につながりかねないということで、安倍首相は必死の巻き返しに出た。まずは、獣医学部新設に関する「岩盤規制」を破るために行った「特区」による「ドリル」作戦は中途半端だったために誤解を生んだので、むしろこれからどんどん獣医学部が必要なところに新設を認めるような方針でいきたい、と逆手の強硬姿勢を打ち出した。そしてそれと同時に、安倍首相得意の「奥の手」である「有識者」を集めた政権支援の記者会見を流した。ここで集められる「有識者」はもちろん安部政権の太鼓持ち「有識者」であり、例えば安倍政権に直結する地方自治体首長や自民党御用学者の竹中平蔵氏などなどである。この「有識者」たちは、いまの法的規制を「破るべき岩盤規制」と見なし、「規制緩和」こそが需要拡大や経済活性化につながると強調する連中である。

 しかし、考えてみればおかしな話であって、そもそもそうした「規制」は国会での議論を経て立法された法律なのではないか。そこに自民党も関与してきたわけであり、なぜどのようにその法規制が制約となっているのかを国会の場で正々堂々と議論し、そこでまっとうな手続きを経てその規制を改めようとしないのだろうか?
 小泉首相の時も、「郵政民営化」を規制緩和の象徴としてぶち上げていたが、郵政が民営化されたいま、一番困ってるのは過疎となった地方の住民である。「儲かる」ことだけがすべての社会であれば「民営化」があたかも経済活性化と同義語のように使われるが、そもそも鉄道や郵便事業などの様な公共サービスは「儲かる」ことを主体にやったのでは社会全体に公平なサービスができなくなるのは当然である。その矛盾はいま「経済活性化」の必然的結果としての人口の首都圏集中に伴い取り残された過疎地帯で明白に示されている。こうした公共サービスは税金をうまく使った形で経営するのがまっとうな方法だろう。
 そして小泉政権の「規制緩和」は「自由に働けるため」と称して雇用に関する法律に手を加えて、労働者の立場を護るための法律は企業側に都合良く変更され、その結果非正規雇用労働者を激増させいまの格差社会の引き金を引いたのである。 このときも竹中平蔵氏は小泉政権の「規制緩和」協力者としてそれを強力に推進させたことは記憶に新しい。
 そしていま、安倍政権は、再び自分のとりまきである「有識者」を巧みに使って、何もしらない庶民を彼のイデオロギーの賛同者に仕立て上げようと必死になっている。加計学園問題での官僚達の反乱や野党からの批判をあたかも「抵抗勢力」であるかのように民衆に対して「印象操作」しているのである。
 このブログの前回と前々回でも述べた様に、支配的イデオロギーを支える「インテリ」たちが果たす役割は、この強権的政権の中にある虚偽を覆い隠すことにある。庶民はこういう「インテリ」の言うことや記事を鵜呑みに信用すべきではない。そうでないと知らず知らずのうちに彼らに「洗脳」されてしまうからだ。

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