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2017年10月 5日 (木)

もう一度問う、リベラルか保守か、なのか?

 世の中は総選挙のことで持ちきりである。小池都知事の「希望の党」に合流して政権交代のチャンスを狙おうとした前原「民進党」は、「小池フィルター」によって選別され、ふるい落とされた「リベラル派」は「立憲民主党」を結成した。マスコミではこれであたかも安部自公政権とその補完勢力の「維新の会」や「こころ」を最右翼としてそのやや左に「改革保守」を名乗る小池「希望の党」、そしてそのやや左に「リベラル」を名乗る「立憲民主党」や「社民党」そして一番左に「日本共産党」という図式が出来上がった様に扱っている。

 選挙民はこのうちどれかから選択せよということだ。しかし、この「保守」から「リベラル」へと政党をありもしない尺度の上に並べて論じるのはおかしい。「安部さんの右寄りで強引な政治姿勢はいやだけど、一度失敗したリベラル政権に経済を任せるわけにはいかないから、その中間あたりにしようかな」なんていうのはまったくもって危うい選択である。
 問題は、われわれが社会の真実をしっかり知り、それに対して的確な判断を下せるかどうかである。
 いま経済は好調だと思われている。「景気」を示すいくつかの指数は「好況」を示し、失業率は最低レベルまで下がり、株価は2万円台を超えている。しかし、国家財政の収支はもはや回復不可能な致命的な状況にまでに陥っている。日銀がばらまく円と、買い支える株価によって、証券市場は活気づき「この機に儲けよう」という投資家たちが巨額の投資を続け、大企業が上げる利益の上前を獲得している。この「好況」は実に危うい状況であり、投資家たちがそれを意識して一斉に手を引けばたちまち国の経済は破綻に追い込まれかねないのである。
 一方では、これまでの長期にわたる自民中心の政権が「経済成長」至上主義で行ってきた政策のもとで育ってきた子供達はやがて、「企業に役立つ人材」がふるい分けられ、ふるい落とされた若者達は「フリー」な労働者として放置されてきた。こうして若い労働者の生活は格差が増大し、学費のかかる高等教育から疎外され、単身で生きねばならない若者が増え、結婚して家族を持てる労働者はどんどん減少し、「少子化」が進む。
 そのため 「成長する」企業は人手不足となり、失業率が下がったように見えるが、実は労働者の生活や労働条件はどんどん悪化する。こうした現役労働者が将来は自分たちの老後を支えきれなくなるだろう。この生きづらい社会を生み出してきた政権は何一つそれを反省もせず、「働き方改革」「人作り革命」などという空文句のお題目を唱えて若者達の不満を逸らそうとする。
  他方でかっての「高度経済成長期」を支え、企業に莫大な利益をもたらしてきた世代はいま高齢化し、社会保障の対象となり、借金で切り回す国家財政にとって重荷となっていく。政府はこれを「消費税増税」によって乗り切ろうとする。
  しかしこれは本来、「高度成長」で莫大な利益をあげてきた企業の支払うべき費用なのである。企業は労働者達の生み出した富を独り占めし、それを世界市場での競争力強化のためなどに投資してきた。しかし本来は富の源泉であった労働者たちにその老後の生活を保障するために還元すべき費用なのである。政府は企業の競争力維持のためと称して法人税を下げ、代わりに労働者階級のなけなしの労働賃金からその生活に必要な費用に税金を掛けようというのである。数からいえば圧倒的に多数の労働者階級から「均等に」とる税収は巨額にのぼる。何のことはない労働者達は自分たちが企業の富を生み出すために捧げてきた人生を、働けなくなってからは自前でその生活を支えろというのである。
 この理不尽な「消費税」に対して「リベラル派」政党はこれを社会保障に必要な税として基本的に認めるのである。
 誰のための「経済成長」なのか?誰のための「人作り革命」なのか?それによって「豊か」になるのは誰なのか?そのために税金を払わされるのは誰なのか?「リベラルって何?」、そして「こんな社会」に誰がしてしまったのか?いまこそよーく考えてみようよ。

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