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2017年9月17日 - 2017年9月23日

2017年9月17日 (日)

スマホという洗脳用具

 いま新聞もTVも"iPhoneX"が発売になるというニュースが飛び交っている。そして電車に乗れば、向かい側の座席に座る人のほとんど全員がスマホに見入っている。電車を降りてプラットフォームを歩いていてもスマホを見ながら歩いている若者が実に多い。これでは人生の大部分の時間をスマホの中のバーチャルな世界に生きていることになるのではないだろうか?それほどに今の社会はスマホの中の世界に支配されているのである。

 かくいう私もリタイアするまでは出始めたばかりのスマホユーザだったし、それ以前はいわゆるPDA(Personal Data Assistant)のヘビーユーザでさまざまなPDAを愛用してきた。スマホをやめてガラケーに戻ったのは通信料が高すぎるからだ。もし通信料が安ければいまでもスマホを使っていただろう。
 つまりいまの社会はスマホがなければ不便で生活できにくくなってしまったのだ。かつて1990年代初めに携帯電話が普及し始めた頃はケイタイがこれほど普及するとは思わなかったし、それがなくとも生活できた。ところがパソコンやケイタイが普及し、インターネットが一般化するにつれ、こうした技術をビッグ・ビジネスチャンスとして新興企業がこぞってその世界に名乗りを挙げた。そして瞬く間にIT機器が市場を席巻し、フツーの人々がIT機器ユーザとなって行き、こうした新興IT企業が「儲け頭」となっていった。いわゆる「IT革命」である。
 人々は「世の中の流れ」に遅れまいとしてこぞってITの世界にのめり込むことになり、世の中の企業はほとんどすべてこの新たなインフラを利用して儲けを増やした。
 その世界では、ひとたびネット上で噂となればあっというまに注目され売れ行きが急上昇する。だから企業はこぞってネットで目立つモノを売りに出すし、刺激的な広告を競い合うようになる。もともと資本主義市場社会が本質的にそうであった「騙し合い」の世界に火をつけたのである。
 こうして人々はネットの中のバーチャルな世界があたかも現実世界であるかのように感じ、本当の現実社会は「仮の姿」のように見えてくる。過剰な広告の海の中で「便利」なことが「善」であり、流れに取り残されることが「悪」であるかのような社会になってしまった。
  その中で人々は完全に「受け身」になっていっていることに気がつかない。自分の目や耳でリアルな世界と向き合い、自分の頭で考えようとすることを止めてしまったようだ。
 そしてそのような状況の中で、北朝鮮からのミサイル報道やトランプの武力による対抗措置の可能性などというニュースが飛び交い、虚構の核戦争の場面があたかもリアルな世界であるかのように描かれ、政府は「国民の安全のために」と大げさな「空襲警報」を流し、危機感を煽る。こうしたトップダウン情報伝達システムが出来上がっていく中で、人々は、国の安全のためには国力に相応しい軍事力が必要だ、と考えるようになり、すなおに憲法改定を支持することになっていくだろう。
 現政権はまるで北朝鮮や中国からの「軍事的脅威」を「待ってました、ありがとう!」とばかりにそれをこのトップダウン情報システムに乗せて人々の危機感を煽り、「洗脳」する。
 対する野党民進党がいまや瓦解寸前と見るや、突然、「今期国会会期中に衆議院解散することもある」と言い出した。この絶好のチャンスに総選挙で圧勝しようというのである。
 首相の「異次元の金融緩和による景気の好循環」そして「働き方改革」「一億総活躍社会」「女性が輝く社会」「人づくり改革」などなどという誇大宣伝広告は、中身がまったくないバーチャルな代物なのだが、人々にはこの流れに乗せられ、リアルな現実社会をキチンと見なくなっている。こうしたトップダウン情報システムの中ではボトムアップなリアル情報はご都合主義的に歪められるかどこかで消えてしまうのである。
 朝日新聞などはこうした安倍政権に対して、「政策の提示方法が問題なのではなく、どのような社会をつくるべきかを示してくれるべきだ」と書いている。しかし「どのような社会をつくるべきかを考えるのはトップの政治家ではなくボトムのわれわれ自身なのではないのか?政治家はそのための立法機関の吏員にすぎないのではないのか?
 この虚々実々な騙し合い社会の現状は、結局は「売れるモノがすべてを支配する」という資本主義社会の単純な法則のもとで進行した市場の支配者による上からの「IT革命」の結果であり、それによる支配的イデオロギーへの壮大なマインドコントロールだといっても良いであろう。
 スマホがいかに便利であってもそれに魂を売るようなことはするまいぞ!結局はわれらの生活や人生のすべてを資本に売り渡すことになるのだから。

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