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2018年1月 4日 (木)

「銃火なき戦争」の場と化した国際経済

 アメリカは「アメリカ・ファースト」を叫び一方で中国を将来の「仮想敵」とみなしながら、他方では互いの貿易における共通利害を求めようとしている。20世紀後半以後の世界資本主義は、経済的互恵関係こそ戦争でではなく平和に国際関係を保っていくベストな方法だと考えるようになってきている。これは一見「正論」のように思えるが、その内実は結局、資本家や投資家が支配し「儲ける」ための取引関係であって、決してそのイメージほど穏やかではない。

  中国とアメリカの関係を見ていても、両者とも相変わらず軍備の拡張を続けている。「戦争抑止力」と称した軍事力を背景とした関係がなければ大国間では経済的互恵関係が現実のものになりえないからだ。
 そしてこの両大国の狭間に置かれた韓国や日本や台湾、フィリピン、そして東南アジア諸国だどでは、両者の軍事的バランスと自国の経済的利害を天秤に掛けて「したたかな」外交戦略を立てねばならなくなる(日本は両大国に匹敵する大国だと思い込みこうした外交を怠っているようだが)。
  こうしてまさに「騙し合い」的な駆け引きが繰り広げられる。この「騙し合い」がうまくいかなくなると途端にキナ臭い戦争への準備が始まる。 それが外交というものだと言ってしまえばそれまでだが、この現実においては決して経済的互恵関係が恒久平和をもたらすことなどないということが分かる。
 そして現代のグローバル資本といわれる国際的な過剰資本の循環による根無し草マネーによる「好景気」もつねにその背後にこのキナ臭い軍事パワーがちらついているのである。
 しかもこの「経済的互恵関係」は互いに勝つか負けるかかの激烈な競争と戦いにおいて成立している。資本主義社会は「自由競争」が原則だからだ。
 この「自由競争」の中では絶えず、さまざまな国の労働者階級が生きるための必要条件から「自由」に、つまりそこから切り離されて競争の敗者によって「ゴミ」として捨てられている。そしてその「ゴミ」が勝者によって生み出された「人手不足」を補うために再利用される。こうしていまは「グローバル根無し草マネー」のおかげで「経済好調」の国では失業率が下がっているのである。
 そこには戦火こそないが、つねにマネーを支配しようとする者たちの競争の道具としてこき使われ、要らなくなれば捨てられ、また拾われるという形で人生を彼らによって完全に振り回され続けている膨大な数の人々が世界中に存在している。そして一兆ことあれば、戦争の準備が始まり、そこに闘う先兵としてこれらの人々が駆り出される。
 それがいまの「経済的互恵関係」をめざす資本主義社会の現実の姿である。

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