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2018年4月16日 (月)

どこまでが真実なのか? シリアの化学兵器使用問題をめぐって

 シリアの内戦で反政府側の立てこもる地域に政府側が化学兵器を使用したというニュースが世界中を駆け巡り、この攻撃で多数の子供を含むその地区の人々が犠牲になったようだ。  これに対してアメリカ、イギリス、フランスなどがすぐさま反応し、トランプ大統領は戦争犯罪に対する報復としてシリアを軍事攻撃すると言い放った。しかしその後シリア政府を軍事的に支援するロシアがでっち上げだと言い出し、アメリカはそれを否定すべく何らかの証拠を得るまでと称してほんの少し時間を置いたのち、101発のミサイルをシリアの軍事基地に打ち込んだ。ロシアはこれを侵略行為だと避難し、中国もこれに同調した。そして日本の政府はいつものように何の疑いもなくアメリカを支持した。

 誰かが本当のことを言っているが誰かが確実に嘘をついている。

  まずシリアがロシアの支援で反体制側にほとんど圧倒的に勝利し最終局面を迎えていた段階で、なぜ化学兵器を使用するというリスクを取る必要があったのか?という疑問である。化学兵器を使用すればその事実はすぐにバレてしまう。それなのになぜ敢えて?という疑問だ。

  もう一つはその明確な証拠があると言われながら欧米側からもはっきりとそれが示されていないことだ。

 ところがその後、この化学兵器は北朝鮮が関与しているようだというニュースがNHKなどからが流れた。その根拠として、かなり前から互いに欧米諸国から孤立させられている北朝鮮とシリアは親交を深め、シリアは北朝鮮から多くの軍事技術の売り込みを受け入れ、化学兵器の製造装置も取り入れたとされる、という事実が挙げられていた。
  しかしなぜ今それを取り上げるのか?そしてなぜ米朝会談が迫るこの時期にそのようなことを北朝鮮が許すのか?という疑問である。
 ひょっとすると この北朝鮮関与説は米朝会談が不成功に終わることを望んだ誰かが仕組んだワナなのかもしれない。それは誰か?アメリカやイギリスは米朝会談をぶち壊そうとは思わないだろう。 中国もそうは思っていないだろう。米朝会談で何らかの成果があれば、事前に電撃的な中朝会談を行ったキムに対して中国の威光を示せるし、その後の朝鮮半島非核化にも大きな影響力を維持できるからだ。
 あくまで憶測に過ぎないが、例えばインテリジェント作戦が巧みなロシアのプーチン大統領かもしれない。 ロシアはもしこのまま米朝会談がうまく進行し、南北朝鮮が平和条約でも結ぶようになれば、北朝鮮の核開発技術を裏で援助してきたと思われるロシアの立場がなくなるし、今後の北東アジアでのロシアの影響力は中国よりはるかに小さなものになってしまうからだ。
 真相は?こうした大国間の思惑と騙し合いは大国間のかけひきにはつきものらしい。しかし今やフェイクニュースがどんどん捏造されるような世の中で、何が本当なのか全く分からない時代なってしまった。トランプ大統領は自分に都合の悪いニュースが現れれば、それはフェイクだ!と吐き棄てる、たとえそれが真実であってもだ。
 そしてこうしたTVのニュースが終わればそのあとにお笑いタレントの生番組やグルメ番組が始まり、人々はその中に吸い込まれ、ニュースのことなど忘れてしまう。
  そのはざまでいたいけなシリアの子供達がどんどん死んでいく。そして誰もそれを救えない。何という悲しいことだ!
  一体なんという世の中なんだろう!!

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