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2018年11月20日 (火)

この数日の出来事をめぐって(UNHCRとゴーン)

 昨日私のもとに国連UNHCR協会からシリア難民の悲惨な現状と子供達の冬に向かっての防寒具の不足などを訴える文書と共に寄付依頼の文書が届いた。そしてこの封筒の中に毛布でつくったバッグが入っていた。
 私は、これを受け取って、考えた。この毛布のバッグを作るためにどれだけ安い労働力が使用されたのか?そしてこれをおそらく莫大な量のダイレクトメールで発送するのにどれだけ莫大な費用がかかったのかを思った。そして以下のような文書をしたためこの毛布のバッグをUNHCRに返納した。
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国連UNHCR協会 御中
 このたびシリア難民の子供達の防寒への備えの厳しさを伝えた文書とともに、同封の毛布のバッグが貴協会から送られてきました。私は以下のような思いから、この毛布のバッグをそのまま貴協会に返納致します。
 国連として救済のための基金不足から寄付を募るのはよく分かります。またシリアの難民、特に子供達の悲惨な状況がニュースなどで伝えられるたびに胸を痛める思いです。この状況に対して世界の富裕な国々が積極的に救済に乗り出さないことはまったく憂慮すべき事態だと思います。
 しかし、それにも拘わらず、企業の宣伝ならいざ知らず、国連の団体がこうしたものをおそらくは驚くほど多くの人々にダイレクトメールとして送りつけ、寄付を要求することは国連の精神に反するのではないでしょうか?
 この毛布は本来、寒さに震えるシリア難民の子供達の防寒具として用いられるべきものでしょう。そしてこれにかかった経費も多額なものであったでしょう。それは直接シリア難民の子供達のために費やされるべき費用であるべきでしょう。決して寄付集めの手段や費用として用いられるべきものではありません。したがって私はこれを返納致します。
 また寄付集めに関しても本来、寄付金は寄付者の好意に基づき募集されるものであって、募集者によって寄付額の枠を決められるべきではありません。
 したがって私は、クレジットによる寄付募集には応じません。しかし、シリア難民の子供達への私の思いが最大限伝えられるように私の乏しい収入に相応しい寄付額(寄付金はゆうちょ銀行の貴口座に1,000円振り込みました。
)で寄付させていただきました。
悪しからずご了承ください。
以上
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 一方で、いま日産のカルロス・ゴーン会長が長期に渡って自分の報酬額を偽り、 有価証券に50億円という巨額の「過小記載」を行っていたという事実がトップニュースで報じられている。国際ニュースではフランス・ドゥーがルノー会長でもあるゴーン氏の金融商品取引法違反行為をやはりトップニュースで伝えていた。
 この二つの出来事は一見無関係のようであるが、実は深いところで繋がっているように思える。
 それはゴーン率いる日産・ルノー連合のようなグローバル資本企業のカリスマ的経営者がおそらくは私的な財産として獲得する収入額は、一方でシリアなどで貧困や飢餓に苦しむ多くの人々のために用いれば多くの幼い人命をも救える金額であろうということ。もっといえばその巨額の不正収入額をもってすればこうした貧困にあえぐ人々が生きるための資金が出来たであろう金額がただでさえ報酬が多すぎると批判されているこのカリスマ経営者の個人的なオカネとして不法に使われていたということである。
 さらに重大な事実は、こうしたカリスマ経営者が自分の強力なリーダーシップゆえにその企業が利益を上げているとして、そこに雇用されている従業員たちもそれによって生活が潤っているという考え方の虚偽性である。
  実はこの企業が上げている莫大な利益のもととなった価値は自社の従業員を含めて世界中の関連企業や下請け企業で働く膨大な数の労働者の生みだしたものであって、決してカリスマ経営者が生みだしたものではない。彼が行っている「頭脳労働」はこうして世界中に散らばっている膨大な数の労働者たちが生みだす価値をどう資本として吸い上げ資本の拡大のために運用するかという、資本としての頭脳戦略なのであってこれは正確には決して生産的労働の一部ではありえない。 それどころか多数の労働者たちが生みだした生産的労働の成果を一握りの富裕層に集中させるための「たくらみ」なのである。それを企業の「リーダーシップ」と称しているのだ。
 このような不正な方法で一個人に集中させられた絶対的多数の労働者の生みだした成果が、その仲間であり、グローバル資本間のばかげた競争と醜い軍事的権力争いのなかで難民や貧困層に落とし込められた人々の救済のために用いられることがないという事実を知ってか知らずか、国連UNHCRは上記の様な寄付活動を「人道上の問題解決のため」に行っているというのである。
 やはりどこかがおかしい! そう思いませんか?

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