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2019年5月17日 (金)

「MMT体制」はいつ破綻するか? それは明日かもしれない!

 最近Modern Monetary Theoryなる理論がまかり通っているらしい。今朝の朝日新聞「投資透視」欄でも野村證券の人が取り上げていたが、「インフレを招かないかぎり財政赤字は心配ない」という考え方らしい。巨額の政府借金を抱えて低金利、低インフレが続いていても経済破綻せず、「円」も安定しているいまの日本がその証明だといっているらしい。アベノミクスの「ヨイショ」理論とも受け止められるが、一方でデフレ気味の現在、消費税の引き上げは間違っているという見解をしめしているらしい。しかしこのコラムの筆者も言うように、財政赤字を野放図に拡大させ続けるとある時点で、中央銀行が国の債権を引き受けざるを得なくなり、通貨が大量発行され通貨の価値への疑念が生じ始めると急激なインフレが起きる可能性がある。個人や私企業間では借金を返済できなければたちまち信用を失い経済的に成り立たなくなるのは当たり前だ。それを中央銀行が国債を買い支えていれば国家はいくら借金をしても大丈夫などというのはどう考えてもおかしい。へりくつとしか思えない。私のような経済学の素人ですら分かることだ。

 少子高齢化が進み社会保障への負担がますます増大することが確実な日本でそれへの備えもなく消費増税に頼るしかないアベノミクスはもうすでに破綻しているという人も多いが、もし米中経済戦争が激化して世界経済が落ち込み、どこかで戦争でもはじまれば、たちまちインフレが起き、日本だけではなく、世界資本主義体制全体が崩壊の危機を迎えることになるかもしれない。これはかなり確度の高い予想である。もちろん資本主義の崩壊は歴史の必然といえるであろうが、その過程でもっとも大きな犠牲を払わねばならないのは労働者階級である。

 わたしたちは失業や戦争による犠牲を最小限に抑えるべく、いまからそのための準備をしておかねばならないのではないだろうか?すでにそのきっかけは始まっている。それはいまアメリカでもヨーロッパでも起き始めている労働者階級の新しい動きである。かつてはリッチなアメリカで「労働貴族」となって高賃金を条件に経営者の片棒をかついでいたAFL-CIOなどの労働組合が変化しつつある。アメリカ社会の貧困化の現れである。そしてフランスやドイツなどでは失業率が低くなってはいるがその労働内容や賃金水準の悪化は覆い隠せない。だから労働者たちは大量の移民がやってくれば危機感を持つのは当然だ。

 そしていまこうした危機感に乗じて排他的民族主義を掲げる政党の台頭がが目立つ一方でインターネットなどを通じてこうした世界中の労働者たちが互いに自分たちのおかれた実状を認知し合えるようになってきている。やがてこうしたうごきは一つの大きな労働者階級の連携した運動へとつながるに違いない。「万国の労働者、団結せよ」である。そしてそれこそが歴史を動かす本当の力になって行くに違いないと思う。2000万人以上いると言われている日本の非正規雇用労働者たちもこの動きに気づくべきだろう。

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