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2020年3月13日 (金)

コロナウイルスは民主主義体制に危機をもたらすのか?

やっと重い腰を上げてWHOが新型コロナウイルス流行のパンデミックを認めた。そしてトランプがこの状況に対する入国制限などの措置を発表した。そしてそのトタンに世界中で株価の大暴落が続いた。この一連の事実がいまの世界情勢を象徴していると感じた。

おそらくWHOは中国からのプレッシャーや世界経済への気遣いからパンデミック宣言を避けていたと思われる。しかし現実はそれでは済まされない状況となた。トランプもコロナウイルスの流行などは大した問題ではなく、株価の下落も一時的問題だと高をくくった様な発言をしていたが、パンデミック宣言が出るやいなや、突然一方的で強力な規制措置に出た。また発生源の中国では一時は武漢の医療崩壊などで大変な状況だったが、国家の強力な指導力で押さえ込みつつあることを強調している。そしてわが安倍政権も緊急非常事態宣言を法制化して首相の権力を強化しようとしている。

いまコロナウイルスという自然界からの全人類に対する突然の攻撃のもとで、人類社会は、これまでの民主主義では対抗できなくなりつつあるのだろうか?民主主義体制は、対立する意見同士の議論を繰り返し、互いに納得することで物事を決めてゆくシステムであるが、それなりに時間がかかり、このような緊急非常事態ではむしろ強権的なトップダウン方式の方が敵に対処しやすいといえるのだろうか?もしそうだよすれば、この事態が世界中でトップダウン的政治体制を促進させることにならないか?

だが、ここで問題なのは緊急事態に対処するシステムが必ずしも常に強権的政治体制を必要としているわけではなく、民主的合議制の中にこうした緊急事態への対処の仕方を組み込むことが必要なのだと思う。ではいかにして?

まずどの様な状況を「緊急事態」として受け止めるかである。コロナウイルスのような自然界からの攻撃は確かに人類がコントロール不可能な事態なので緊急事態であるが、戦争などは「人災」であって、他国からの軍事的侵略行為などがあった場合、これをコントロールする手立ては人間の手中にあるはずだ。株価暴落や金融危機などの「経済的緊急事態」についても同様だ。こうしてまず「緊急事態」の中身を見定める能力が問われるが、次にはさまざまな緊急事態を想定した対処の仕方をあらかじめ合議の上で決めておくことが必要だろう。その決め方は徹底して民主的に行われる必要がある。ひとことで言えば、「緊急事態」に関してあらかじめ民主主義に基づくボトムアップ的な合意形成がまず作られていなければならず、それにしたがって緊急事態に迅速に対処すべきなのだと思う。

はたしていまのアメリカ、中国、日本などではそうなっているといえるだろうか??それが問題だ。

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